これって自分だけ?
ティップス
ささいなことが気になっちゃう。
繊細な自分自身との付き合い方
仕事やプライベートで起きた、ささいなことが気になってしまうことはありますか?
繊細さん(HSP)という言葉もあるように「もしかしたら、自分もそうかも」と、心当たりのいる人もいるかと思います。
HSP(エイチ・エス・ピー)とは、Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略で、感受性が豊かで繊細な気質を持つ人のことを指していて、5人にひとりがその傾向にあるといわれています。
この記事では、そんな繊細さを感じる自分自身との付き合い方について考えてみたいと思います。
もしかしたら
自分は繊細なのかも……
近年、「繊細さん」を取り上げた書籍も多数出版されています。
少し調べてみると、自分と同じ気質の人もいれば、このようなことが気になるんだと驚かされることも。
わたしは、夜になって自分の発言や言動が気になってしまい、おうちでひとり反省会をすることがたまにあります(みなさんはありますか?)。
とびきり自分が繊細だと感じたことはないけれど……多少はその気があるのかもしれません。
たとえばこんなシーンで
気になっちゃう
実際に、つい気になってしまうシーンを例に挙げてみました。
本音を言うのが怖い
大丈夫じゃないのに大丈夫と答えてしまうことや、「期待に応えなきゃ」と、自分の気持ちを後回しにしてしまうことはありませんか?
素直な気持ちを伝えたら、“相手がどんなふうに思うか”が、頭をよぎってしまい、自分の思っていることを素直に伝えることが怖く感じてしまう
相手の感情に引っ張られる
ひどく落ち込んでいる友人や同僚の相談に乗っていたら、いつのまにかその感情をもらってしまい、自分が落ち込んでしまう……。
帰るころには、たくさん話して発散できた本人はけろっとしているのに対して、自分はぐったりしていることも。
空気を読みすぎてしまう
ほんとうは行きたくないけれど、誘いを断り切れなかったり、だれもやりたがらない仕事を引き受けてしまったり……。
嫌われることを恐れるあまり、周りに合わせようと自分の気持ちを殺してしまうことはないでしょうか。
たとえば「本音を言うのが怖い」人は、自分の気持ちを出すのが苦手⇒なぜなら相手の反応が気になるから⇒それに、がんばったらなんとかなってしまう。といったふうに、その感情に至るまでの要因はさまざまなことが考えられます。
少しでも気がらくになるには?
さまざまなアプローチから、気になってしまうことへの対処法をご紹介します。
「1年後には忘れてる」と考える
大学で自死について学ぶ講義を受けた際に印象的だったことで、「つらいことがあったとします。それを1年後にも覚えていますか?」と、教授に問いかけられました。感情が新しいうちはとてもつらくても、さすがにそれだけ時間が経ったらだいたいは忘れるな……と、すごく納得させられました。
逆に、1年経っても覚えていることは、それだけ自分にとってつらいことなんだ、と認めてあげてくださいね。
苦手なことと距離をおく
苦手なこと、苦手な人とは無理して付き合う必要はありません。得意でないかもと感じる状況をキャッチしたら、自分を守るために線引きをしてみてください。
そのときは、素直な理由を伝えなくても大丈夫です。
自分の繊細さを受け入れる
自分の繊細さに気付けたら、それだけでも一歩前進につながります。
自分はこういうことが気になるんだ、仕方がないこと、と思えるはずです。自分の気持ちにも整理がついて、心のセーフティにもなってくれるかも。
自分に合いそうと感じるものがあったら、ぜひ試してみてくださいね。
つらいこと、気になってしまうことの大小は人によってばらばらで、一概に図ることはできないんだよ(人によってはそれが自殺につながってしまう場合も……)、というのが自死に関する講義の内容でした。
そこでの教授の問いかけは心にまっすぐ入ってきて、今でも大切にしている考え方のひとつです。
STAFF
text:くるみちゃん
illustration:トモマツユキ