恋愛しないとだめなの?
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恋人をつくらないという選択。
20代社会人にとってメリットは?
ここ数年で「多様性」という言葉がよく使われるようになったと感じます。
そんななか、気になるキーワードのひとつが「恋愛」。
あえて恋人をつくらない人も増えているんです。
そこでこの記事では、あえて恋人をつくらない理由やメリットを深掘りして考えていきましょう。
恋人を「つくらない」選択。
それもアリ?
まず、恋人をつくらない人が増えているというのは本当なのでしょうか?
リクルートブライダル総研が実施した「恋愛・結婚調査2023」によると、20〜40代の未婚男女のうち、恋人がいない人の割合は70.3%、交際経験のない人の割合は34.1%で、調査を開始してから最高値となったそうです。
他の調査でも、「今、恋人は欲しいですか?」という質問に対し、約4割が「いらない」または「いなくてもいい」と回答しました。
こうした結果を見ると、恋人が必要ないと感じる人は増加傾向にあるようですね。
しかし、恋人がいることで、「大切に想い合う相手がいる」という幸福感を得られたり、プライベートがより楽しくなったりする場合もありますよね。
では、あえて恋人をつくらないのはなぜなのでしょうか?
恋人をあえてつくらない理由は?
そもそも恋愛に興味がない
恋人は欲しくないと思う以前に、恋愛そのものに興味がない場合が考えられます。仕事や友人関係が充実している、人付き合いが苦手であるなど、理由はさまざま。
なかには「アセクシュアル」とセクシュアリティを持ち、性別を問わず他者に対して性的に惹かれない、または性的欲求を抱かない人もいます。
感情を乱されるのがいやだから
当然のことですが、恋愛は相手がいてはじめて成立します。だからこそ、予測できない事態で感情をかき乱されることも少なくありません。
たとえば、自分には内緒で、恋人が異性と遊びに行っていたら、心穏やかではいられない人もいますよね。「その感情の波こそが恋愛の醍醐味だ!」と考える人もいれば、それが理由で恋人は欲しくないと感じる人もいることでしょう。
行動や時間が制限されるから
恋人がいると、定期的に連絡を取ったり、デートをしたりするために、行動や時間が制限されてしまう場合があります。
ひとりで過ごす時間や友達と遊ぶ時間を大切にしている方は、どうしても不自由さを感じてしまうかもしれません。
恋愛にトラウマがあるから
ミシガン大学(アメリカ)のアラン・テオ教授が行った「人間関係がうつ病に及ぼす影響」の研究によると、「恋愛関係」「家族関係」「友達関係」の中で、最もうつ病の誘発に影響を及ぼすのは恋愛関係という結果が出たそうです。
特に恋愛関係がこじれている人は、充実感のある恋愛をしている人やシングルの人に比べて、うつ病の発症率が高くなると判明しています。
そうした苦しい恋愛を経験し失恋すると、トラウマになったり、長い時間が経っても慢性的な悲しみが消えなかったりと、「失恋うつ」の症状が出る人もいます。そのような感情を記憶していると、なかなか恋人をつくろうという気持ちにはなれませんよね。
恋人がいないことのメリット
恋人がいないことで、どんなメリットがあるのでしょうか?
ここでは3つのメリットを取り上げます。
心が安定した状態で過ごせる
生活のペースを乱したくないのであれば、あえて恋人をつくらないことで、心を安定した状態に維持できるかもしれません。
たとえば、「相手に好きでいてもらうためにもっと努力しないといけない」「相手にもっと好きになってほしいのにうまくいかない」といった想いをしたことがある方もいますよね。
恋愛は、嫉妬や不安、心配などがつきものなので、自分の気持ちをコントロールできないことにストレスを感じやすい人は、恋愛をしないという選択肢にもメリットがあります。
仕事や趣味に熱中できる
恋愛をすると、他のことが目に入らないほどにのめり込み、時には自分をないがしろにしてしまうというケースがあります。
しかし、恋愛から距離を置けば、恋愛に傾けていたエネルギーを仕事や趣味に集中させられるかもしれません。
「自分の人生に集中したい」という方は、恋愛をしない方がよい場合もあるでしょう。
自分に使える時間やお金が増える
恋愛とは、相手と価値観をすり合わせる行為だと思います。そうすると一定の時間やお金が必要になってきます。
ただ、自己投資への意欲が高い人の場合、そうしたものを自分のためだけに使いたいと思うことも。目標達成のために勉強したり、副業に励んだりすれば、その人にとっては恋愛以上に価値のある成果が得られる可能性があります。
大きな目標を最短でかなえたいなら、時間やお金、精神的負荷のかかる恋愛から離れるのもよいかもしれません。
恋人をつくらない選択と、社会人にとってのメリットを見てきました。
恋愛との距離感で悩んでいる方のお役に立てたらうれしいです。
STAFF
text:Kamiya Sayoko
illustration:トモマツユキ