学生時代は読んでたのに……

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社会人になって本を読まなくなった。
読書のメリットとおすすめの方法

「学生のときにくらべて読書をしなくなった」
そう感じたり、人から聞いたりすることはありませんか?

社会人になると心や時間に余裕がなくなり、いつの間にか読書離れが進んでしまうというのはよくあることです。

そこでこの記事では、そんな中でも社会人が読書をするメリットや、生活の中に読書を取り入れるおすすめの方法をご紹介します。

最近、読書をしなくなったかも……

近年、ニュースなどで「読書離れ」という言葉をよく聞くようになりました。

これは、実際の統計結果からも明らかになっています。
文化庁「令和5年度 国語に関する世論調査」によると、全国の16歳以上6,000人を対象に調査した結果、有効回答があった3,559人のうち、1ヵ月に1冊も本を読まない人が62.6%を占めていたそうです。

それでは、なぜわたしたちは、読書から距離を置くようになってしまったのでしょうか?
ここからは、ひとつの例としてわたしのお話をしてみたいと思います。

(わたしの例)

幼少期から、わたしは読書が大好きです。
大学生までは、通学時間、休み時間、家での自由時間……あらゆる時間を使って本を読んでいました。両親が読書家であることも大きく影響したと思います。

その後、大学を卒業したわたしは、とある会社に入社しました。
「これからは自分のお金で好きに本を買えるんだ!」とやる気は充分。仕事をがんばり、休憩時間や家での自由時間で読書を満喫する日々を過ごし始めます。

でも、試用期間の半年が終わったころから徐々に仕事は忙しくなっていき、疲れを取るために休憩時間は仮眠に充てるようになりました。帰宅後はグッタリして、読書どころではありません。
「読書を楽しむ、心と時間の余裕がなくなっていたのかな」と今では感じます。

「読書が好きだけど最近はぜんぜん本を読めていない」「読書に興味はあるけど行動に移せない」そんな人は、わたしのように心と時間の余裕が必要なのかもしれません。

社会人が読書をするメリットは?

次に、社会人にとって読書をするメリットについて考えてみたいと思います。

ストレス解消につながる

「社会人の読書」と聞くと、「ビジネス書や自己啓発書を読んで仕事に活かす」といったイメージを持つかもしれません。でも、そうした読書だけでは、せっかくの自由時間に仕事のことを考えてしまう人もいることでしょう。

そこで注目したいのが、エッセイや物語によるストレス解消効果です。
例えば、穏やかな暮らしを描いたエッセイを読めば、自分も同じ生活をしているような安らかな気持ちになれます。つまり、本の世界に没頭することで、ストレス解消効果が期待できるのです。

視野が広がる

わたしは、読書を「著者の目を借りて世界を見る体験」だと思っています。例えば、読書のメリットを解説する本を読むとしたら、「著者はこんなふうに世界を捉えているんだ」と自分の中に新たな視点がひとつつ追加されるのです。

社会人になると、自分以外にも、上司や先輩、後輩、取引先など、さまざまな人の視点で物事を考えるよう求められます。その練習になるのも、読書のメリットだと思うのです。

もちろんSNSでも同じことは可能なのですが、読書の方がゆったりとしたスピードで取り組めるので、わたしは好んで本を選んでいます。

自ら学ぶ環境をつくれるようになる

学校に行けば自然と「勉強しなければならない」状態になることができた学生時代とは異なり、社会人生活では学ぶ姿勢や環境を自分で用意する必要があります。その第一歩として読書はとてもおすすめです。

例えば、本屋で本を1冊購入したとしましょう。その本は、机に置いておくだけでわたしたちに何か教えてくれるでしょうか?いつかそんな便利な時代が来てもおかしくないですが、今のところは違いますよね。その上で「1日10分本を読む」とルールをつくって習慣化したとしたら、自ら学ぶ姿勢や環境をつくれるようになったといえます。そうすると、これから先、学びたいことがあったときに自然と挑戦できるはずです。

どんな読書方法がおすすめ?

最後に、社会人が読書をするためにおすすめの方法を2つご紹介していきます。

昼休みに読む

わたしも新社会人時代に実践していた方法です。1回10分でも読書時間を設けると、リラックスできる上、楽しみがひとつあるので午前中の仕事もがんばりやすくなりますよね。

ただ、若手が昼休み中の電話対応や受付対応を担当する会社も多いと思います。その場合は、エッセイや短編小説など、区切りをつけやすい本を選ぶとよいでしょう。

自宅に読書スポットをつくる

読書に不慣れな人にもおすすめの方法です。
ステップはたった3つなので、ぜひやってみてください。

①「ここで本を読んだら気分がよいだろうな」と思う場所を選ぶ。
②ソファやクッションなど、長時間座っていてもつらくないグッズを置く。
③そこで読書を楽しむ。

読書スポットをつくると「ここは本を読む場所だ」と頭が認識するので、「落ち着かない」「気が散って集中できない」といった悩みを改善できます。
適したスペースが自宅にないという人は、好きな喫茶店などを活用するのもよいでしょう。

編集部のまとめ

今回は、社会人になって読書離れしてしまった人向けに、読書のメリットとおすすめの読書方法をお伝えしてきました。

この記事が読書を楽しんでもらえるきっかけになったら、とてもうれしいです。

STAFF
text:Kamiya Sayoko
illustration:oomisoka1231