思っていたのと違う……

ティップス

社会人になって現実とのギャップを感じる。
どうしたらいい?

「社会人としてもっと輝けると思っていた……」
そんなふうに理想と現実のギャップで悩んでいませんか?

この記事では、学生時代に描いていた「社会人の自分」と、実際に社会人になった「今の自分」のギャップを感じている方に、ギャップを感じる具体的なシーンや、乗り越えるためのヒントをお伝えしていきます。

学生のときに思い描いていた「社会人」となんか違う……

まずは「リアリティ・ショック」という言葉について紹介します。

リアリティ・ショックとは、新たな環境に身を置いたときに「理想と違った」とギャップで悩むことを指します。1958年に、アメリカの組織心理学者、E.C.ヒューズによって提唱されました。理想を抱いて入社する新入社員の多くが経験する可能性のある状態だといえるでしょう。

実はわたしも、リアリティ・ショックで悩んでいたひとりです。少し恥ずかしいですが、お話してみようと思います。

(わたしの場合)

幼いころから、ドラマや仕事人間の父に影響を受け、キャリアウーマンにとてもあこがれていました。「大人になったら仕事をバリバリできるかっこいい人になるんだ!」と意気込んでいたんです。

そして、その理想を抱えたまま、大学時代にアルバイトを始めます。一生懸命取り組んだおかげで評価していただく機会も多く、「きっとキャリアウーマンになれる!」と理想は膨らむ一方でした。

そんな感じで大学を卒業したわたしは、第一志望の企業に入社しました。配属先もあこがれていた部署で、満ち足りた気持ちで社会人生活を迎えます。
しかし、入社して2~3ヶ月経ったころ、「あれ、理想と現実にギャップがある……」と気付きました。

そう、リアリティ・ショックの到来です。

わたしの場合は仕事でリアリティ・ショックを感じましたが、プライベートでギャップにぶつかる人もいます。

もしかしたら恥ずかしく思ってしまうかもしれませんが、ギャップを感じるのは何も変なことではありません。そんな自分をまずは肯定してあげてくださいね。

そこで次は、ギャップを感じる具体的なシーンを考えていきます。

ギャップを感じるのはどんなとき?

人間関係で悩んだとき

「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」とは、アドラー心理学の根本的概念ですが、人間関係で悩んだときにギャップを感じる人は多いと思います。学生時代とは異なり、社会ではバックグラウンドの異なるさまざまな人々と関わる必要があるため、コミュニケーションや人間関係の構築方法などで戸惑うかもしれません。

環境や文化で悩んだとき

人間関係の次にギャップを感じやすいのは、長い時間を過ごす場所の環境や、そこに浸透している文化ではないでしょうか。職場であれば、勤務時間や休暇の取りやすさ、風通しの悪さなど、理想と現実とのギャップにぶつかることがあるでしょう。他にも、入社直後や人事異動後は、配属先の空気になじめないと悩んでしまう人も少なくありません。

求められる内容に対して
スキルが不足しているとき

わたしが個人的に最もギャップを感じた部分です。例えば、学生時代に得た能力と、実際の業務で求められるスキルにギャップがある場合が考えられます。業務の量や難易度が想像以上で、自分のスキルでは対応できないと悲しいですよね。わたしの場合、それまでの経験に基づいて自分の実力を信じていたので、それを裏切られた感じがしてショックを受けてしまいました。

ギャップを乗り越えるためにできること

最後に、仕事やプライベートでのギャップを乗り越えるためにできることをご紹介します。

徹底的にギャップと向き合う

まず、徹底的にギャップと向き合ってみるという方法があります。紙とペンを用意し、自分の考えや感情を素直に文字にしてみてください。そうすると、頭を整理し、客観的に自分を見つめることができます。ただし、眠る直前に考えごとをすると脳が覚醒してしまうため、思考がクリアな朝の時間に試してみてくださいね。

新たな目標を見つける

目標を立てると、人間はそれを達成する方向に意識が働くようです。そのため、新たな目標を見つけることは、ギャップを乗り越えるのに適しています。

目標設定は、What・When・Whyに分解できます。Whatは「何を目標にするか」、Whenは「いつまでに達成するか」、Whyは「なぜその目標を設定するか」を指します。これら3要素に基づいて適切な目標を設定することで、モチベーションを正しく維持できたり、取るべきアクションが明確になったりといったメリットがあります。

気軽に相談できる人を2人つくる

近年、メンター制度を設ける企業が増えています。メンターとは、知識や経験を持ち、新入社員や若手社員などの成長や学びを支援する役割を担う人です。ただ、メンター制度がある場合でも、その先輩が自分に合う人とは限らないのが実情です。

そこでわたしのおすすめは、仕事とプライベートでひとりずつ、気軽に相談できる人をつくることです。仕事関係の人にプライベートの相談をして自分にしっくりこない話をされたり、プライベートで仲のよい人に仕事の話をしてイマイチな反応をされたりしたことはありませんか?
そういった事態を避けるためのポイントが「2人」です。個人的には、年齢が3歳~5歳ほど離れている人が適していると思います。

編集部のまとめ

この記事では、社会人になって現実とのギャップを感じるシーン、それを乗り越えるためのヒントをお伝えしてきました。

でも、ギャップを感じてしまっても大丈夫。

まずは「そう思ったんだね」と気持ちをしっかり肯定して、乗り越える行動を取りましょう。

この記事を参考にしてもらえたらうれしいです。

STAFF
text:Kamiya Sayoko
illustration:ニシモトタクミ