[2024/09.26]

ぼくの、シンプルレシピ

#21. 茶わん蒸し

プリンの味を想像して口に運んだ
はじめての茶わん蒸しに、
幼いころのぼくはショックを受けた。

ほとんどの人はおそらく、
茶わん蒸しより先に
プリンを食べた人生だと思う。

「みんなは、どうだったんだろう?」

想像と違う味に驚かなかったのか
聞いてみたいと思う反面、
今ではもう、どうでもいいことに思えた。

なぜなら、茶わん蒸しを見れば、
ちゃんと茶わん蒸しの味を
想像できるようになったから。

あの、どこまでもやさしい味。
「ぷるん」と「つるん」の間くらいのくちどけ。

こんなにおいしいのに、
残念な意味でショックを受けるなんて、
あのときの自分はもったいないことをした。

だから、はじめて茶わん蒸しを食べる人には
「これはプリンじゃないからね」と、
ちゃんと伝えてあげたいと思うのだった。

HOW TO COOK

具材を用意します

卵がひとつあればできるので、極端な話をすると具材はなくてもいいかも(プレーン茶わん蒸し)。今回はサラダ用のカニカマ、しめじ、そして茶わん蒸しの定番具材である三つ葉を使います。それぞれ、ちょっとで大丈夫。

うつわに具材を入れます

陶器のうつわに手でさいたカニカマとしめじ、ちぎった三つ葉を入れます。カニカマと葉っぱの部分は卵液を注いだあとに入れるつもりで、別皿に取っています。ちょうどいい感じのうつわがないときは、マグカップでもOK

卵液を作り、うつわに注ぎます

卵をボウルに割り入れ、顆粒和風だし(小さじ1)とみりん(小さじ2)、水(150cc)を加えて、よく混ぜます
うつわに注ぐときにやったほうがいいひと手間が、ざるなどでこすこと。こさないと仕上がりがきれいじゃなく、げんなりします。ぼくは鍋のときなどに使う「あく取り」を活用しています。
取っておいたカニカマの赤い部分と三つ葉の葉っぱを入れます

鍋で蒸します

茶わん蒸し用のうつわにはふたが付いていますが、ふたがないうつわでもキッチンペーパーとアルミホイルで代用できます。折りたたんだキッチンペーパーをかぶせ(マステで留めています)、その上からアルミホイルをかぶせてふたをします。上部にフォークでいくつか穴を開けます
鍋底にキッチンペーパーを敷いて、うつわをセット。鍋の1/3くらいの深さまで水を入れて火にかけます
沸騰してきたら鍋にふたをして、弱火~中火で10分。その後、火を消したらそのまま10分以上放置して蒸らします。※柳宗理のミルクパン(16cm)

ふたをはずして、完成!

やけどに気をつけながら、そっとアルミホイルとキッチンペーパーをはずします。開けるときのドキドキわくわく感が楽しめますよ

【材料(ひとり分)】
◎卵 1個
◎カニカマ 2本
◎しめじ 適量
◎三つ葉 適量

・水 150cc
・顆粒和風だし 小さじ1
・みりん 小さじ1

STAFF
photo / text : けんち(このごろ編集部)
illustration:yuko