[2024/02.21]

ぼくの、シンプルレシピ

#05. 親子丼

実家で親子丼が出てくると
「うれしい」とか「おいしそう」とかではなく、
「またか」と思ってしまう自分がいた。

どんぶりひとつで
食べごたえがあって、
栄養面もよさそう。

そんな親子丼は、
育ち盛りの子どもの前に
たびたび登場することがあった。

なんだか簡単に済まされた感じがして、
心のどこかでさみしい思いと
同じくらい反抗的な気持ちが湧いた。

でも、今なら分かる気がする。

共働きだった両親。
もしかしたら親子丼の日は、
献立を考える気力もないくらい
疲れていたのかもしれない。

もしかしたら仕事でミスをして
落ち込んでいたのかもしれない。

そんなときに、誰かのために
ごはんを作ることの大変さ。
そして、親子丼は決して簡単な料理ではないこと。

親が子どものためにつくる親子丼――

それはとてもありがたいものなんだって、
今ならちゃんと、分かるんだ。

HOW TO COOK

野菜を切ります

しいたけ、玉ねぎ、青ねぎを用意。今回は立派なしいたけ(三重県産)だったのでひとつで充分。小さいものなら2つくらい使ってしまいましょう。
玉ねぎはできるだけ薄いほうが火の通りも早く、存在もさりげなくなります。薄切りをするときのポイントは「薄切り選手権」に出場している状況をイメージすること。

鶏肉を切ります

鶏もも肉は1/2枚をひと口大にカット。唐揚げ用としてすでにカットされているものを使うときは半分くらいに切ったほうがよいかも。

鶏肉を焼きます

フライパンで鶏肉を焼き目がつくくらい焼き、お皿などに移しておきます

煮汁を作ります

小さめの鍋に調味料(顆粒の和風だし、砂糖、みりん、しょうゆ)と水を入れて、火にかけます。柳宗理のミルクパンはサイズ感がちょうどいい。

具材を煮ます

まず、しいたけと玉ねぎを煮て、なんとなく煮えたころに焼いておいた鶏肉を加えて、ひと煮立ちさせます。

卵でとじます

卵を溶いて鍋にそろりそろりと落とし入れ、ころあいを見て火を止めます。写真を撮ることに必死で、ちょっと火が通り過ぎてしまいました。ご注意を!目指せ、とろとろ。

最後にねぎを加えます

青ねぎを加えることで、彩が豊かに。

どんぶりに盛り付けます

どんぶりに盛り付けたら、細く切ったのり(味なし)をトッピングすると見た目も風味もアップします。逆さ富士のような美濃焼のどんぶりは、たまたま立ち寄った雑貨店にて600円で購入。

【材料(ひとり分)】
◎鶏もも肉 1/2枚
◎たまねぎ 1/4個
◎しいたけ 大1個
◎青ねぎ 10cmくらい
◎卵 2個
・水 100cc
・和風だし(顆粒) 小さじ1
・砂糖 小さじ1
・みりん 大さじ1
・しょうゆ 大さじ1

(トッピング)
◎のり 1枚(全型)の1/4

STAFF
photo / text : けんち(このごろ編集部)
illustration:yuko