[2025/02.12]

旅のおみやげ

宮崎・椎葉村のおみやげ

日本三大秘境のひとつと呼ばれる宮崎県椎葉村。
熊本空港でレンタカーを借りて山道を2時間走った先、長い長いトンネルを抜けるとその村はありました。なんだか都会からいちばん遠いところに来たようです。

冬、椎葉では各地区の神社で夜神楽が奉納されています。村の方々が焼酎や猪汁でもてなしながら、昔から続くお祭りの決まりごとや椎葉の日常について楽しそうに語ってくださいました。神楽を見物していると、椎葉には山の暮らしの知恵が息づいていることが伝わってきます。

ひとつひとつの習わしを継承し、ひとや自然との関係を築いてきた村の皆さんの温かさにふれました。私たちが日ごろ忘れている”何か”が、ここにはあるような気がします。

山奥の秘境で見つけた、みなさんの誠実な暮らしぶりを伝えるような一品をご紹介します。

【仕事仲間へのおみやげ】

山茶とかき餅

椎葉のお宅を訪ねると、お茶とかき餅でおもてなししてくれました。焼いたかき餅に塩を振って、そこにお茶をかけていただきました。椎葉のお茶は山のあちこちに自生していて、家の土間にある大きな鉄釜で炒って茶葉にしていたのだそう。なんでも山茶は焼畑の山に芽吹くと自然に育つたくましい植物なのです。
こちらのSHIIBA YAMACHAは、そんな椎葉の家庭の味を守るために移住者の若者たちが商品化したもの。「ばあちゃん家のお茶の味がする!」と地元の方がおすすめしてくださいました。
価格:SHIIBA YAMACHA 手摘みリーフ 1,200円、かき餅 490円(ともに税込み)
購入場所:平家本陣

焼畑蕎麦苦楽部 焼畑の雑穀クッキー

小さなかわいいかたちのクッキーが目にとまりました。蕎麦・粟・稗・山桑の葉・よもぎの5種類の珍しい味。椎葉は日本で唯一焼畑を途切れさせることなく継承してきた地域なのだそう。焼畑とは、山の天然林の木を切り出し、足下の腐葉土を焼くことで灰を養分とし、蕎麦・稗・粟といった雑穀や、芋・大根・蕪などの根菜を育てる農法。植える作物を替えながら4、5年間焼畑を耕作し、そのあとは木を植えてまた山へと戻すサステナブルなしくみです。
価格:各430円(税込み)
購入場所:平家本陣

神楽が奉納される冬祭は、土曜の夜から日曜の昼まで夜通し行われます。11月末〜12月中ごろ

【友達へのおみやげ】

椎葉の

がんばりやさんの友人には、山の栄養をたっぷりたくわえた雑穀をストレートに味わってほしい!と、雑穀をそのままおみやげに。たっぷり炊き込んでぷちぷち食感の楽しい粟ごはんにしていただきます。椎葉在来の粟を集落のみなさんで協力して育てているそうです。
価格:900円(税込み)
購入場所:平家本陣

椎葉厳島神社 お守り

近くにある博物館で、山奥の椎葉へ逃れた平家のお姫さまとそれを追いかける源氏の棟梁が恋に落ち、平和にともに暮らしたという伝説が残っていると知りました。厳島神社は平家の守り神で、近くにはお姫さまの化粧水が湧き出ています。なんともロマンチックな物語にちなんで、椎葉厳島神社では源氏と平家それぞれの家紋が入った紅白のお守りセットを用意しているのだそう。
価格:源平紅白お守りセット 1,500円 (紅白各単品 800円)
購入場所:椎葉厳島神社

夜神楽の明くる日の夕方、椎葉民俗芸能博物館を訪問。より深く椎葉の文化を知ることができました。展示にある民俗行事は今も椎葉の暮らしのなかで継承されているそうです。

山中工房 草木染めコースター
向山窯 豆皿

おみやげ屋さんを見ていると、カラフルな織物とかわいい豆皿が並んでいました。椎葉の草木で染めた織物と、椎葉の土と釉薬でつくった陶物だそう。椎葉の大地のエネルギーがこめられているようで、日々使っていたらほっこりと元気が出そう。
価格:コースター 各600円、豆皿 各500円(ともに税込み)
購入場所:平家本陣

陶芸体験:1回3,000円(3日前までの申込)
問合せ先:090-1167-2702(向山窯)
草木染め体験:1回3,000円〜(季節にあわせて不定期開催)
問合せ先:インスタグラム/@shiiba_life_workshop(椎葉村暮らしワークショップ)

【自分へのおみやげ】

ふる里会 つゆ一番

町中の蕎麦屋「よこい処しいば屋」さんで食べた温かいお蕎麦にのっていた椎茸がおいしくて、おみやげに干し椎茸を……と探していたら、なんと椎茸を出汁つゆにしてくれているすぐれものを見つけました。使われている椎茸はもちろん椎葉産。原材料は乾燥椎茸、醤油、鰹節、砂糖、みりん、酒となんともシンプルで清らかなお出汁です。
価格:800円(税込み)
購入場所:八菜館 椎葉店

ニホンミツバチの蜂蜜

おみやげ屋さんで目を引いたのが、黄金にかがやく蜂蜜の入ったたくさんの瓶。よくみると、フエカさんの蜂蜜、照男さんの蜂蜜、末雄さんの蜂蜜……と村の方のお名前が冠してあります。椎葉では養蜂をされている方が多く、全国的にも珍しいニホンミツバチの蜂蜜がたくさん採れるのだとか。試食してみると、本当に花の味がしてしあわせな気持ちに。家に帰ってからも椎葉を思い出しながら少しずつ大切にいただきたいな、と思い手に取りました。
価格:1,540円~(税込み)
購入場所:平家本陣

椎葉の大地のエネルギーを体現しているような大きな木が、村のあちこちにありました

秘境からの帰り道

帰り道、ふたたび険しい山道を走りながら、椎葉で過ごしたお祭りの時間を思い起こしました。

やさしく声をかけてくれたお母さんや、冬の美しい山々、地味深い食事……。
都会の便利なものはないけれど、人間らしさにあふれる暮らしを忘れられそうにありません。

日常生活に戻っても、椎葉で出会ったあのお母さんみたいにやさしい気持ちで過ごしたいなと思いました。

ご紹介した品物の一部は
ふるさと納税でも手に入ります

◎椎葉村公式Webサイト
椎葉村 ふるさと納税

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STAFF
text:森内こゆき(椎葉村地域おこし協力隊)
※掲載の写真は椎葉村からのご提供です