-部員のつぶやき-
『部屋の中で旅をする』

2025年は海外に行きたい。

年が明けると、なんとなく今年の目標について考える。
年が明けるというのは、新しいことを始めるのにぴったりなのだ。(何かが切り替わらないと、そういうことを始められない自分もいる)

改めて、2025年は海外に行きたい。
高校が国際科だったこともあり、学校の研修旅行や修学旅行は海外だった。
だけれど、それ以降1度も自分は海外に行っていない。(高校で英語は断念し、大学は商学部に入った)
自分の力だけで、日本を出たことがないのだ。

インスタグラムのストーリーで、知り合いが海外に行っているのを見るたびに、
「ああ、いいなあ。きっと海外でしか感じられない情緒、気持ちがあるんだろうなあ。」
とダブルタップでいいねを押す日々。心の中の自分は泣いている。

そんな気持ちが溢れすぎて、最近は旅が味わえるような本(好きな作家の紀行文や行ったことない国の観光雑誌)をたくさん買っては読んでいる。
特に紀行文は、その人の目線を借りて、まるで自分も同じ場所に行ったような気持ちになる。部屋の中で、旅ができるのだ。

「ももこの世界あっちこっちめぐり」という本を読んだ。
この本では、さくらももこさんの目線を借りて、スペイン、イタリア、バリ島、アメリカ西海岸、パリ、オランダ、ハワイを旅することができる。

さくらももこさんの描くトレドの朝や、日没の遅い初夏のベネチア、サンフランシスコの町の色はどれも素敵で、読み終えたあとには、ああ、行ってよかったな、とまで思えるような、そんな気持ちにさせられる。

2024年は誰かの目線を借りて、部屋の中で何ヵ国も旅をした。
今度は自分の目で、さまざまな国の景色を、色を、確かめに行こうと思う。

text & photo :やまぐち(フェリシモことば部 部長)