-部員のつぶやき-
『コーヒーと、ことば』

ある日突然、父の介護がはじまった。

それまで、さんざんっぱら
独身貴族で自分の時間は100%わたしのものだった
私が、「自分都合」にならないことがでてきた。

ええい、これはもうはらをくくって
私のあふれんばかりの愛をそそぐぞー!と意気込んだものの
ちょっとずつ、エネルギーも体力も目減りしてるのは否めない。

そんなとき、年上の60代の女友達が、「これ、ええこと書いてるよ~」と渡してくれたのが、コーヒードリップパック。

なに、なに、と、気もそぞろに受け取り、
朝になって、「あ、あれ、もらったやつ、飲も」と
お湯をそそいで、ドリップを待ってるあいだに
この文字をふむふむと読んでみた。

「何かを知っている者は
それを好む者にはかなわない。

しかしそれを好む者も
それを楽しむ者にはかなわない」

「壬生論語古儀抄 四一」(みぶろんごこぎしょう)

同情や、はげましのことばではなく、
いつのまにかはりつめていた気もちがふっとやわらいだ。

そう、
大変なときも、
しんどいときもあるけど、それをいい人になって我慢をすることもせず、
それも、ひっくるめてぜんぶ「楽しめる」ぐらいの
気持ちになったらいいんだろうな。

そんなこんなで、友人に一瞬だけ感謝して
死ぬほど、慌てふためく、朝のコーヒータイムは
過ぎ去りました。
それもぜんぶまるっと
楽しんでるってことで。

毎日が優勝だ!

text & photo :あこあこ(フェリシモことば部)