兵庫県で織られた生地と富山県で作られたレースを使って、繊細で可憐なレースチュニックを作りました。今回使った生地は、播州織りの産地である西脇市を拠点とした、日本発の生地ブランド・シャトルノーツが手掛けるドビーの織り模様が入った白い生地です。60番手の細糸をベースにして、模様部分は太い30番双糸を使うことでしっかりとした立体感を出しています。生地にストレスをかけないよう、染色用のサーキュラー機で生地洗いを行うことでナチュラルなシボ感を作った、繊細なのに素朴さも感じられる風合いの生地に仕上がっています。レースは水溶性のビニロン生地に刺しゅうした後、ビニロンを溶かして刺しゅうだけにするケミカルレースを使いました。幅広のレースを選び、袖に配したレースはあえて透かして、可憐な女性らしい雰囲気に。軽やかな生地を生かして、ボリュームのある袖やギャザーなどふんわりとしたシルエットを意識してデザインしました。レース越しから抜ける春の風を楽しんでください。