「エンブロイダリーレースチュニック」の胸当て部分のレースは、エンブロイダリーレースの老舗、昭和18年創業の「中越レース工業株式会社」さんにお願いしています。中越レースさんには現在8台のレース機がありますが、すべてもう製造されていない日本製のものを使用しておられます。昔ながらの機械は刺しゅう速度がゆっくりで、そのうえ手間もいろいろかかるけど、刺しゅうにふくらみや凹凸を出すことができ、風合いもやわらかく仕上げることができるそうです。今回のチュニックのレース部分も、通常これだけ模様を入れると少し固くなるのですが、昔ながらの機械のおかげでとてもやわらかく仕上がっています。エンブロイダリーレースは、ラッセルレースやトーションレースに比べて人手も手間もかかるレースなのだと、工場次長の長井美子さんはおっしゃいます。情熱と想いの詰まったレースを配したこのチュニックは、生地は兵庫県、刺しゅうは富山県、縫製は長崎県と日本中を飛び回ってできあがっております。