岐阜県や三重県を中心に、日本各地から集めた木で作られた10色のクレヨン。その色合いは、「木=茶色」という常識が覆されるカラフルさ。木の色の豊かさに驚き、暮らしの中にふと森を感じられるプロダクトができました。
生活の様々なシーンに「木」がある
私たちの生活の中には、いたるところに木の存在があることにお気づきでしょうか?
家の中では椅子やテーブルなどの家具、扉などの建具から、柱や梁、壁の下地としても使われていたり、外に出てみれば、公園や神社で立派な木が枝を広げていたり、道路沿いには街路樹が並んでいたり……。
意識してみると、私たちの生活の中にはたくさんの木が存在していることがわかります。
日本は、国土の約3分の2が森に覆われている森林大国です。しかし国内で使われている木材の約7割は海外から輸入されたもの。日本の木が有効活用されていないのが現状です。
日々、大きな循環の中で私たちに多くの恵みを与えてくれている森。その豊かさや、森とのつながりをたくさんの人が感じられたら……。そんな想いから、「森のクレヨン」作りは始まりました。
発案者は、遊び心あふれるプロダクトをデザインするクリエイティブユニット・Playfoolさん。
彼らのプロトタイプをもとに、よりたくさんの方に手にとっていただけるよう、フェリシモが商品化に取り組みました。
Playfool
Playfoolはコッペン・ダニエルさんとサキさんによるクリエイティブユニット。すべての人のイマジネーションやクリエイティビティを促すことをミッションに、遊び心あふれるプロダクトや体験の企画・開発、youtube動画の制作などを行う。国内外で受賞多数。https://studioplayfool.com/
何気なく目にする山にも、いろんな木があって、たくさんの動物や微生物が息づいている。クレヨンを通して、そんな想像が広がりますように。
100%日本の木から生まれた色
今回こだわったのは「木そのものの色」でクレヨンを作ること。
着色料は使用せず、国内で採れた木材の粉と、米ぬか由来のライスワックス、米油を混ぜたシンプルな製法。木の色の多様性を感じられます。
「森のクレヨン」の原料になった木をご紹介します。どれも岐阜県や三重県を中心に、日本各地から集めた木材です。日本は南北に長く、気温帯の特性から多くの樹種が生息しています。「森のクレヨン」の色の豊富さは、日本の樹木の豊かさそのものです。
NO.1 神代木(じんだいぼく)
主な生息地:北海道、本州、四国、九州
「神の代から」と例えられるほどの長い年月、沼や土の中で朽ちずに眠り続けて色が変化した貴重な古木です。今回はナラやニレの木を中心としてクレヨンに使用しました。
NO.2 センダン
主な生息地:伊豆半島から四国以西
センダン科。大きく手を広げたような樹形で、虫よけや虫下しなど薬用植物としても有名。春には薄紫の花が咲きます。
NO.3 ヤマモモ
主な生息地:関東および西日本
ヤマモモ科。やせ地でもよく育ち、庭木や街路樹に多い。初夏には直径1~2cmの甘酸っぱくて赤い果実をつけます。
NO.4 ケヤキ
主な生息地:本州、四国、九州
ニレ科。日差しや雨よけになる扇形の樹形が特徴。古くは格の高い木材、現代では街路樹でよく見られます。
NO.5 カイヅカイブキ
主な生息地:北海道南部から九州
ヒノキ科。うろこ状の葉や、らせん状に巻き上がるような枝ぶりが特徴的な常緑針葉樹。木の中心部は美しい赤褐色です。
NO.6 スギ
主な生息地:本州、四国、九州
スギ科。日本を代表する樹種のひとつで、長寿でまっすぐ高く育ちます。屋久島の縄文杉をはじめ、日本各地に巨木が存在します。
NO.7 カツラ
北海道、本州、四国、九州
カツラ科。ハート型の葉が初夏は緑、秋には黄になり、キャラメルのような香りがします。木材は彫刻に適しています。
NO.8 ホオ
主な生息地:北海道、本州、四国、九州
モクレン科。まな板に適した、弾力があり緑がかった色の木材。大きな葉は飛騨高山地方の名物・朴葉味噌や朴葉寿司でも有名。
NO.9 ハゼ
主な生息地:関東南部から沖縄
ウルシ科。紅葉の美しさでも有名。実から抽出したろうを和ろうそくに、しんが黄色い樹木は染料としても使われます。
NO.10 ヒノキ
主な生息地:福島県より南エリア
ヒノキ科。世界最古の木造建築物、法隆寺はヒノキ造り。鮮やかな年輪、美しい淡褐色、香りのよさも特徴です。
「森のクレヨン」の原料となる木材の大半は、建物や家具には使用できないような割れや節が入ってしまったもの。細かい粉にすることで、顔料としての新しい活用法を見出しました。
もとになった木と、完成したクレヨンを一緒に置いてみました。
「ホオ」の丸太とクレヨン。
幹の中心部が緑がかったグレー色をしています。
「ヒノキ」の葉とクレヨン。
常緑樹なので、一年中緑色の葉です。
「スギ」の幹とクレヨン。
まっすぐ伸びる立木の様子が、クレヨンの姿になっても変わりません。
このように、こんな木からこのクレヨンの色が生まれているんだな、と想像するのもおもしろいですね。
日本の森から生まれた10色のクレヨン、一本一本は細くて小さな存在ですが、森に想いを馳せながら絵を描いてみてはいかがでしょうか?
「森のクレヨン」オリジナル塗り絵
たくさんの方に「森のクレヨン」でのクリエーションを楽しんでいただけるよう、3組のイラストレーターさんに素敵な塗り絵を作っていただきました。
ポスターとしてお部屋に飾ったり、ポストカードにして贈ったり、ブックカバーやラッピングペーパーにしたりと、使い方は無限大です!
※クレヨンの色が衣服などに付着する可能性があるため、カバーや定着材などのご使用をおすすめします。
100%ORANGEさん
クマさんを囲んで、ウサギやリス、森の妖精たちも! 親子で塗り絵を楽しめる100%ORANGEさんのイラストは、フレームに入れて飾りたくなる愛らしさ。上の写真ではA4サイズでプリントしています。
コナガイ 香さん
森の果実で作ったケーキをつまみ食い。しあわせなひとときのイメージが広がる、コナガイ 香さんの世界観。写真ではポストカードサイズでプリントしてみました。いま会いたい人へ、手描きのカードを贈ってみませんか?
近藤愛さん
どの向きから見てもおもしろく、いろいろなものが見えてくるから不思議。水玉や曲線で抽象的に森を表現した、近藤 愛さんの作品。ブックカバーやラッピング、封筒にアレンジするなど、アイディア次第で使い方が広がります。
商品の売上の一部は、「フェリシモの森基金」に。
「フェリシモの森基金」は、緑豊かな森を次世代の子どもたちへ残そうと1990年に発足。みなさまからお預かりした基金は、国内外での植林や森の育成を通じて、地球全体の緑化事業支援に活用されています。
※この記事は、2022年4月発売時のフェリシモWEBサイトの記事を一部加筆修正して転載したものです。
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