フェリシモのプロジェクト「オールライト研究所」では、
誰もが持つよわさや苦手、コンプレックスをスタート地点にして、
「そのままでたのしい、そのままがたのしい暮らし」
をテーマに、商品開発を行っています。
1つめのプロジェクトは、
裏表をなくしたアパレルアイテム「裏表のない世界」。
2つめには、
片手でパッと身につけられる洋服やアクセサリーなどを展開する「one hand magic」を発表しています。
障がいのある方や「我こそはずぼら!」というモニターのみなさまに実際に使用してもらって、感じたポイントもあわせて紹介します。
オールライト研究所
よわさや苦手やコンプレックスに悩むのは、そろそろ終わりにしましょう。足りないのは、あなたがそのままでたのしく暮らせるための、社会の工夫。オールライト研究所は、「そのままでたのしい、そのままがたのしい暮らし」をみなさまと一緒に作り出すプロジェクト。『マイノリティデザイン』の著者、澤田智洋さんをゆる研究員に迎え、さまざまなテーマで商品開発を行います。
IT’S ALL RIGHT. ありのままで。
裏も表も前も後ろもないから全部正解!「裏表のない世界」
あれ?Tシャツを前後逆に着ちゃった、もう〜。
洗濯物を取り込んで、裏表ひっくり返してから畳んで…。
ああ、面倒くさいなあ。
…といった経験、ありませんか?
このTシャツは、そんなちょっとしたモヤモヤから解放してくれます。
だって、裏も表も前も後ろもないから。
ひっくり返しても返さなくても、どう着ても全部正解の着こなしです。
この靴下は、つま先の縫い目やかかとがないから
裏返りも、かかとのずれも、何も気にせず履けちゃいます。
「学校にも履いていきやすい、白があればなあ」というお声をいただいたことで、後から白も登場しました!
20~27cmのサイズに対応してフィットするので、
足の成長が早いお子さんにもピッタリですね!
片手でパッと!自分を輝かせる魔法をかけよう♪「one hand magic」
木戸 奏江(きど・かなえ)
「one hand magic」アドバイザー。10歳のときに顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーと診断される。20歳より電動車いす使用。2021年5月に第一子出産。近距離モビリティのWHILL株式会社でマーケティング業務に従事した経験を持つ。
百武 桃香(ひゃくたけ・ももこ)
「one hand magic」アドバイザー。17歳のときに脳内出血によって左半身麻痺に。今はそのときの辛かった経験やその後の生活を通して得たことをもとに、 障がいのある方も笑顔で生活しやすい世の中にすることを目標にさまざまな活動をしている。
オールライト研究所の第2弾「one hand magic」は、2024年10月に登場しました。
片手でパッと着られるらくちんさと、大人なデザインを両立させたシリーズです。
くすみブルーがおしゃれなコート。
マグネットボタンが使われているので、
片手でサッと脱ぎ着できます。
こちらはパチンと留めるだけ、スナップボタン仕様のきちんと見えシャツです。
片手でも着脱らくちんで、しわになりにくい素材感です。
こちらは、パールのネックカフです。
よくあるネックレスは、
留め金具が小さくてなかなか付けられない…。
でも、このネックカフなら
首にサッとはめるだけで、美しく決まります。
朝時間がない働く女性や、子育てに忙しいお母さん、
手が動かしにくい方にもおすすめです。
誰でもストレスなくおしゃれを楽しむことができます。
みんなの困りごとを起点に、みんなが使えるものを作りたい
オールライト研究所は、
みんなの困りごとを起点にしています。
「裏表のない世界」が生まれたのは、
「日常の何がめんどう?」というテーマの社内アンケートからでした。
ー洗濯物を取り込んで、裏返すのがめんどうー
なら、裏返さなくてもいい商品を作ればいい!
結果的に、それは目が見えない人や認知症の人などにも
やさしい商品になりました。
「one hand magic」は、
片麻痺のある方からいただいた
「着脱しやすくて、きれいめで、お出かけできる服がほしい」
という声からでした。
今まであきらめていた部分に
自分自身で魔法をかけてほしい。
そんな思いで、ファッション性の高いアイテムを作りました。
コートにはサイドスリットが入っていて、
表の丈が後ろより少し短くなっています。
これは、ファッション性だけでなく、
車いすに乗るとお腹まわりがくしゃくしゃっとしてしまう
というのを解消するためでもあります。
でも、実は自転車に乗る方にもおすすめな機能になっています。
木戸 奏江さん
「片手で着られる服」と聞いたとき、まさに必要としているものだなと思いました。
両手を使わないといけないアイテムで最初に思い浮かんだのは、アクセサリーでした。
両手を後ろにまわすことができないので、
アクセサリーはつけたいけど、つけなくても出かけられるから、
人にお願いするほどでもないし…と思っていて。
そこに、少しだけあきらめを感じていました。
「one hand magic」は、それが解決するのですごくいいですね。
障がい状態に応じたオーダーメイドもいいですが、救われるのは自分だけ。
もっとシナジーがあると嬉しいです。
例えば、私は手の障がいが理由で、
手をかざす電動ハンドソープを昔からずっと使っています。
コロナ禍でみんなが便利さに気づき、広く出回るようになってから、
製品が各段に使いやすくなったんです。
種類も増えて、質も良くなりました。
健常者の人が魅力に気付いてユーザーが増えると、比較検討ができるようになります。
みんなで使う、というのが大切なんですね。
百武 桃香さん
「one hand magic」のコートを着たモデル写真をSNSにアップしたら、
「どこのですか?」ってDMで聞かれて、
健常者の方も買ってくれたみたいです。
今までは、
何か紹介したときに障がいのある方が買ってくれる、というイメージだったけど、
まったく知らない健常者の方がDMを送ってくれたのは初めてでした。
洋服をほしいなと思っても、
福祉要素が多いと値段が結構高いんです。
着たくない服を着ているわけではないけど、
今まで着たい服を着られているかと言われると、悩ましい。
フェミニンな洋服にもチャレンジしたい気持ちはあるけど、
半身麻痺などを理由にあきらめている人は多いと思います。
こうなればいいのになと思うのが、例えば、
「ファスナーじゃなくて、ゴムになればいいのに。
健常者の方も着やすいのにな〜」とか
「後ろファスナーだから一人で着られないけど、
前ファスナーでも良くない?」とか。
「one hand magic」は、
障がい当事者の意見を聞いてもらいつつ
「一緒に作る」という形で関われたのがうれしかったです。
ファッションにもたのしみを持っていたいですね。
あきらめないことや
伝え続けることは大事だなと常日頃思っています。
オールライト研究所は
今後も、誰かの困りごとを起点に
みんなが使えるものを作りたいと考えています。
あなたが今日も、笑っていますように。
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