2024.12.17

眼鏡のまちから生まれるアクセサリー⁉︎  鯖江の過去と現在、未来について

✔︎ PROJECT

日本の伝統技術プロジェクト

日本の伝統技術プロジェクト

日本の伝統技術を未来に伝えたい!

FELISSIMO / GO! PEACE!

世界的な眼鏡枠の生産地として知られる、福井県・鯖江市。
今回フェリシモがコラボしたのは、この土地で1995年から創業している眼鏡の材料商社『KISSO(キッソオ)』さん。
眼鏡の材料でアクセサリーを作ることになったきっかけは?
そもそも、なぜ鯖江は「眼鏡のまち」になったのか?
そんな気になるあれこれを、二代目社長・吉川精一さんに伺いました。

株式会社 KISSO

1995年に創業した眼鏡製造にかかわる全ての材料の総合商社。
チタン材の眼鏡製造が進む中、それに対応する材料供給体制を整備したり、欧州や中国より最先端の加工機械を供給することで、鯖江のものづくりを支え続けてきた企業のひとつ。
現在ではセルロースアセテートを使ったアクセサリーや雑貨など、オリジナルブランドの商品も数多く展開している。

「KISSO」二代目社長・吉川精一さん

豊かな色彩が特徴の一部綿花由来の樹脂「セルロースアセテート」は、眼鏡フレームとして使われている素材。
この素材で宝石のようなアクセサリーを作る福井県・鯖江市のKISSOさんとのコラボで、ルーペネックレスとイヤカフリングを作りました。
ひとつひとつ職人の手で削り出し、磨かれたアクセサリーが、日々の暮らしを彩ります。

鯖江の伝統産業「眼鏡」の理由

ー福井県・鯖江市で、眼鏡が作られるようになったのはいつごろからですか?

創始者と呼ばれている増永五左衛門により、明治38年にスタートしたと言われています。
福井県は日本有数の雪国である北陸地方にあり、農業ができない冬の収入源が必要だったんですね。
活字印刷の発展と普及による識字率の高まりを受け、今後は庶民にも広く眼鏡が必要とされることを見越し、大阪から眼鏡職人を呼んで、「新しい産業」として根づかせることに成功しました。

ーそんな眼鏡のまちで、 KISSOさんがアクセサリーを作るようになったのはなぜですか?

戦後の高度経済成長により鯖江の眼鏡産業は大きく需要を伸ばしましたが、時代の流れにともなう変化もありました。
90年代からの日本経済停滞、バブル崩壊などの影響もあり、大手企業が生産拠点を安価な海外へ移してしまったんですね。
技術はあるのに注文が来ない……。
多くの工場が廃業に追い込まれ、材料の卸先も減少する厳しい状況の中で、私たちにも「新しいものづくりを!」という発想が生まれました。
 KISSOは材料を扱う商社なので、もともと製造を担っていたわけではないんですよ。
取引先との関係もあるので、眼鏡フレームの素材で、眼鏡以外のプロダクトを手がける必要があった……。
そこで僕らはオリジナルブランドを立ち上げ、誕生したのがセルロースアセテートを使ったカラフルなリングです。
少しづつ社内での生産体制をととのえ、アクセサリーから雑貨まで、独自のアイテム展開でブランドとしての認知を広げる努力と挑戦を続けています。

世界の素材を鯖江の技で

ーアクセサリーにもなっているセルロースアセテートとは、どういった素材なのですか?

アセテートは綿花と高純度パルプから作られた植物由来樹脂で、100%石油からできた樹脂ではありません。
石油系の樹脂に比べて透明度が高く、鮮やかな発色と美しさが特徴です。
KISSOでは眼鏡フレームと同じイタリア・マツケリー社の「セルロースアセテート」を、アクセサリー用の特別な配色と柄でオーダーして使用しています。

ー今回コラボさせていただいた、ルーペとリングには、どんなこだわりがありますか?

ネックレスとしていつも身につけておけるルーペは、 KISSOでも人気の高いアイテム。
今回の共作では、el:mentさんのロゴの起源でもあるという五角形で形成しています。
素材の持ち味でもあるやわらかな表情をまといつつも、華やかさと洗練されたシャープな雰囲気が相まって新鮮ですね。
リングはイヤカフとして、耳にも飾ることができる2-WAY仕様。
イタリアの職人が手がけた素材で、鯖江の職人が製品に仕上げる特別感。
人の手によるものづくりの素晴らしさを感じて、日々の暮らしのなかで楽しんでいただけたらうれしいです。

いつかは眼鏡のテーマパークを!

ー技術の継承や後継者の育成など、課題も多いかと思いますが今後の展望などはありますか?

農業と機織りしかなかった鯖江の新たな産業として眼鏡の製造が始まり、一時期衰退した時期もありましたが、ここにきてふたたび「眼鏡のまち・鯖江」としてのイメージが色濃く、ファッションに敏感な若い人たちにも浸透しつつあると感じています。鯖江には現在も眼鏡製造に関わる多くの工場、メーカーがあるので、それぞれの技術や知識で支え合いながら、まち全体でさらに大きく発展していきたい。
近い未来には鯖江全体を、眼鏡のものづくりのワークショップが体験できる「眼鏡ランド」のようなテーマパークにできたらいいなと、地域の有志で計画しています。

GO! PEACE!なポイント✌🏻️

受け継がれてきた眼鏡産業を続けていくため、アクセサリーという新しい分野に取り組むKISSOさん。
眼鏡の素材を新しいかたちで楽しむことで、産地を応援してみませんか?

🔍 関連キーワード

👥 チームメンバー

  • GO! 🚶‍♀️
  • GO! 🦍
  • GO! 🏃‍♂️
  • GO! 🐈
  • GO! 🚶‍♂️
  • GO! 🦆
  • GO! 🚶‍♀️
  • GO! 🦍
  • GO! 🏃‍♂️
  • GO! 🐈
  • GO! 🚶‍♂️
  • GO! 🦆