「チョコレートは、みんながよろこぶハッピーな食べ物。いつまでもしあわせのチョコレートであってほしい」
そう話すのは、
『幸福(しあわせ)のチョコレート』のプランナーである、
フェリシモチョコレートバイヤーのみり。
カカオ豆の二大生産国のコートジボワールとガーナでは、
カカオ農園で156万人の子どもが働き、
体に負担の大きい労働に従事している現実があります。
13年ぶりにガーナに訪れ、現地のスタディーツアーに参加したみりさんに、
現地で感じ、今こそ伝えたいことをみりさんに聞きました。
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チョコレートバイヤー みり
フェリシモでのバイヤー歴28年。特に名もなきローカルチョコレートにこだわり、世界中を駆け巡り中。これまでに日本に初上陸させたブランド329以上、約2,900種のチョコを紹介。カカオ産地であるガーナで知ったことはみなさまにぜひ知ってほしい内容です。一緒にチョコの未来を考えましょう!
スマイル・ガーナ プロジェクトとは?
カカオ豆の二大生産国のコートジボワールとガーナでは、
カカオ農園で156万人の子どもが働き、体に負担の大きい労働に従事しています。
子どもたちが危険な労働をしなくてすむように、
誰もが学校へ行って教育が受けられるように、
「幸福のチョコレート」では販売価格の1%を「LOVE & THANKS基金」としてお預かりし拠出しています。」を
「『幸福のチョコレート』では、子どもたちが危険な労働をせず、
誰もが学校へ通い教育を受けられる環境を目指して、販売価格の1%を「LOVE & THANKS基金」
として拠出しています。
スマイル・ガーナ プロジェクトは、
「カカオ生産地での危険な児童労働から子どもを保護し、
就学を徹底することを目的としたNPO法人ACE(エース)の活動です。
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チョコレート工場見学で知った “カカオの危機”
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カカオのフェアトレードが進んでおらず、
農業人口が減り、
世界のカカオ不足は危機的な状況だというのは聞いてはいましたが、
今回の訪問でも工場は止まっていました。ガーナでもカカオがない状態。
原因は「異常気象」だけではありません。
農業離れ、カカオの木の老朽化。
金の採掘による畑の消滅。
それはそれはいろいろな問題が今のカカオ不足を招いています。
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解決策として、
カカオの生産地をアフリカからアジアや南米に変えると、
生産量が圧倒的に少なくなりチョコの値段が上がってしまい、
子どもが買えないチョコに。
代替カカオを使うとなると、
カカオの農家さんがますます食べていけません。
どちらにも言えることは、
もし一度そうなってしまったら、
もう元には戻らないということです。
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これに関しては単純な答えでは解決できません。
本物のチョコがなかなか食べられなくなる日がすぐそこまで迫っているかも知れません。
児童労働をみんなでなくす
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スタディーツアーで参加したガーナ政府のイベントでは、
ユニセフやILOなどの国際機関や、
JICA(国際協力機構、
日本の援助実施機関)が進める「児童労働フリーゾーン(CLFZ)」のプロジェクトの合同発表もありました。
CLFZは、ACEがガーナで進めてきた活動の経験がモデルとなっていて、
「LOVE & THANKS基金」がどんどんいろんな地域に広がっていくんだと、
私たちもわくわくしています。
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そしてお互いバラバラでなく、
一緒にやっていこうと。
そうしないと、いっこうに進まないという真剣な思いを感じました。
特に、カカオだけじゃなく、
金の鉱山、漁業でも児童労働が深刻になっている……という話も聞きました。
地球環境、貧困問題も、
すべての話が絡み合って問題は単純ではありません。
問題が大きすぎても、諦めず効率よく、みんなで一緒にやりましょうと。
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世界でのガーナの存在意義はやっぱりカカオであり、
私たちにとってもチョコがない未来なんて考えられません。
そのため、世界から注目が集まります。
ガーナのカカオ農家の児童労働を考えることは、
世界の児童労働撤廃につながり、ガーナでサステナブルなカカオを考えることは、
サステナブルな世界の農業につながります。
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ガーナのカカオ農家の問題は世界で起こっているいろいろな問題と状況が似てる部分もあり、
自分事に置き換えて考えるきっかけにもなります。
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スマイル・ガーナ プロジェクト実施の村へ
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スマイル・ガーナ プロジェクトから週3回給食のサポートがあり、
残りの2回は親が出すそうです。
給食ができたことで、学校に通う子どもが60人から100人に増えたのだとか。
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こちらの村ではCCPC「コミュニティ子ども保護委員会」という住民ボランティアさんがいて、
スマイル・ガーナ プロジェクトから指導を受けて、
児童労働がないか村を見回っています。
この方々の存在が今回見たツアーで一番うれしかったかも。
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彼らは
「親が子どもの才能を知らない。それを知らせたいんだ。」
「うちの村から医者や先生になる子が出てきたら誇らしい。」
「児童労働があることは知っていた、
でもどうしたらいいか分からなかった。
この活動を知って参加した。」
「活動してて困るのは、親が自分も学校に行ってなかったから、
学校で学ぶことの大切さが何か分からなかったり。
遠かったり、学用品や制服が買えないので、行きたくなかったり。」
ようやく登校が実現しても、
またほかの場所から畑の小作人として貧しい環境にある人たちが移住してくるそうです。
この啓発活動には終わりがないのです。
親が怒り出すときもあるけど、それでも何回も説得に行くと。
そして、学校のいいところを伝えるそうです。
ほんとうにちゃんとした大人がここにはいるなと思いました。
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アフリカの問題ではなく、地球の問題
今回の視察では、
日本では見たことがない光景を目にしました。
不法に採掘された金の採掘現場や焼き畑や薪の伐採、
道沿いのおびただしい量のビニール袋。
問題は山のようで、
カンタンに解ける知恵の輪ではないことは分かります。
そして、この状態はガーナだけではありません。
大切なことは「これはアフリカの話」と終わらせるのではなく、
政府や企業に任せる問題でもなく、
みんなでいろんなアイデアを出して、垣根を越えて考えること。
子どもだって、
大人任せにせずに本気で考えてゆくことが一番の解決方法だと伝えたいです。
関心からすべては始まると思います。
そして自分のフィールドで出来ることを探してみましょう。
私もチョコレートバイヤーとして一社会人として出来ることを探していきたいと思います。
それが私の今回の決意です。
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<認定NPO法人ACE 赤堀さまよりメッセージ>
チョコレートをご購入のみなさまへ
ACEは、
ガーナのカカオ生産地で、危険な労働にさらされている子どもたちを守り、
教育を支援する「スマイル・ガーナ プロジェクト」を
2009年2月から行っています。
「LOVE&THANKS基金」を通してみなさまからのご支援をいただき、
15年間も活動を継続してこられたことに深く感謝いたします!
カカオ産業では、
児童労働などの人権問題、
カカオ農園を確保するために森林が伐採される環境問題、
カカオ農家の経済的困窮などの課題に加え、
ガーナでは異常気象や金鉱山の違法採掘などにより
カカオの生産量が激減する事態も発生しています。
この現状を踏まえ、
環境的、社会的、経済的に持続可能なカカオ産業のために、
児童労働の撤廃を含むサステナブルなカカオの実現に向けて、
より一層の努力で取り組んでいきます。
これからもずっとおいしくチョコレートを食べるためには、
生活者のみなさまの協力も必要です。
チョコレートを通じたみなさまのご参加、
ご協力を、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
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