「らく」だから「着け心地」はあきらめるもの!?
ノンワイヤーはらくだけど不満もある
こんにちは。プランナーNです。ここ数年、市場調査を行ったり、お客さまのアンケートを見ていても、年々ノンワイヤーブラの方が増えていることを実感しています。
私もずっとノンワイヤーブラを愛用していますが、理由はなにより「らく」だからに尽きます。その一方で「ノンワイヤーだから、これくらいでしょうがないよね」と、着け心地や補整力は若干諦めている部分があるのも正直なところ。たとえば、フィット感がいまいちで大きく動くとバストからズレたり、カップとバストが合わずに上辺部分がカパカパしたりなど、自分のバストに合っていないのかも……と思う部分がありました。次第に「らくだからと当たり前に着けているけど、ノンワイヤーブラに不満を持っている方ってほかにもたくさんいるのでは」と、考えるようになり、バストに合わない不満に着目した企画を進めることにしました。
胸にフィットするには “カップの伸び”
ノンワイヤーブラはほとんどの場合、あらかじめバストの形になった成型カップを使用しています。そのおかげで“見た目”にはきれいなバストラインを作ってくれるのですが、カップにバストが合わない限り、しっかりフィットすることはありません。
一人ひとり違うバストの形にフィットするには、カップ自体の伸びがよく、動きについてくるような素材が理想です。そこで、ノンワイヤーでもバストにフィットするカップはないかと試行錯誤していたところ、縦・横・斜めと自在に伸びるカップを発見。そのカップを使ってブラジャーを試作してみたところ、今までに感じたことのないバストのフィット感がある仕上がりに。
「フィットのカギは伸び」と再認識して、このカップをベースに、他の部分も「伸び」にこだわって企画を進行することにしました。
“伸び”と“ホールド力”の絶妙なバランス
どんなバストにもフィットするには、ストラップやパワーネットも重要です。パワーネットはわきから背中部分にかけて使う素材ですが、お肉を整える補整力の高いものには、しっかりとした厚い生地を使うことがほとんど。なので今回は、薄手のしなやかなパワーネットでお肉をつぶさずに沿うようなイメージで仕上げました。
右)通常のブラ 右)ストレス解放ブラ
バストの高さや支えに必要なストラップも伸びのいいものを厳選して、支えながらも肩からズレにくい、くい込まないものに。こうしてできあがった試作品ですがいざ試してみると、伸びにこだわり過ぎたことが悪影響となり胸をまったく支えられず、わきのお肉が残念なほどにはみ出てしまう!と、期待していた効果を発揮できるものではありませんでした。仕様の見直しが必要になる結果を受け、伸びのよさは諦めずに、バストを心地よく包むホールド力の微妙なバランスを探しを始めました。
まずはカップをおおう生地と、わきの部分の生地を高くし、肌に触れる面積を増やしました。ストラップ位置は少し外側にずらすことで、わきからもれるお肉をガードすることに成功。
試作品がゆるゆるの着け心地だったのは、生地を支える中心点がない状態だからだと気付いたので、カップ下のバストを支える部分は伸びない工夫をほどこしました。こうしてできたブラジャーは一人ひとりのバストにフィットしながら、動くとずれるなどの不満を解消。モニターさんからも満足のコメントをいただきました。
ノンストレスで旅用ブラにも
デザインに関しては、伸びがよく軽やかな着け心地のイメージに合うよう、すっきりとスマートな印象に近づけたいと考えました。ブラジャーのレースは花柄が多いのですが、新鮮な印象になるように幾何学模様で、肌に映える濃いめのカラーを中心にセレクト。
フィット感アップのために、厳選したストレッチ素材とカップの仕様だからこんなにやわらかいんです。コンパクトかつリラックスして過ごしたい旅ブラジャーとしてもおすすめです。
「何となく、らくだから」選ぶノンワイヤーブラも、自分のバストにフィットすれば、違和感がなくなり、快適度合いもアップ。一度着ければクセになる、この着け心地をぜひお試しください。