el:ment×山本祐布子 お花のブーケが舞い落ちる 熟練の傘職人さんが作る晴雨兼用傘〈ストーンネイビー〉
お申し込み番号:379943
1本 ¥15,000 ( +10% ¥16,500 )
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ストーリー
植物の芳しい気が満ちる、山本祐布子さんの暮らしから。傘職人が作る晴雨兼用傘
千葉県夷隅郡大多喜町にある「mitosaya(ミトサヤ)」は、植物の恵みを生かしたものづくりを手がける「蒸留所」です。
かつて薬草園だった土地を改修し、蒸留所をスタートさせた江口宏志さん・山本祐布子さんご夫妻が、果樹や薬草・ハーブの栽培、発酵や蒸留といった技術を使ってさまざまな蒸留酒や加工品を生み出しています。
蒸留所のなまえである「mitosaya」は「ミとサヤ=実と莢」を意味しているそう。土の中の種が芽を出し、花をつけ、実を結び、地面に落ちる最後の時まで、自然のあらゆるプロセスにインスピレーションを受けて、これまでに130種を超えるプロダクトをリリースしています。
ありのままの私にすっとなじむ感覚を大切に、デザインや素材にストーリーを感じるアイテムを紡ぎ出すブランド「el:ment[エル:メント]」。
今回は、そんな植物たちをモチーフとして山本祐布子さんがイラストを描き下ろし、日本の傘職人がていねいに仕上げた晴雨兼用傘をお届けします。
大切なひとときを描く
イラストレーターとして活躍する山本祐布子さん。
近年はmitosayaの活動のウェイトが大きくなる中でも、絵を描く時間は本当に大切なひとときだそう。
山本さんにとっての植物たちとの日々の関わりと、それが絵に与える影響をこんなふうに話してくれました。
絵を描くことと全く違うものづくりを通して、描けることへの感謝の気持ちが大きくなったことが大きな変化かもしれません。一日の中で、この時間だけは集中して描くという時間を設けるようにしています。
季節折々のさまざまな植物とふれ合うことで、たくさんのエネルギーをもらっています。春だったら梅から咲き始めて、桜が咲いて、つつじが咲いて。夏はシャクヤクとか牡丹、そうこうしていると暑いうちから萩が咲いて。秋は彼岸花、冬でも赤い実や山帰来など。
見るだけでもちろん楽しめるんです。でもそこからもう一歩、香りを嗅いでみるとか、摘んでみて湯舟に浮かべてみたり、花束にして飾るのもいいけど……もっと自分でアプローチしてみる……食べてみるとか(笑)! そうやって一歩踏み込むと、何気なく見ていた植物にも季節ごとの愉しみがあり、興味がわくんです。
庭仕事も私の生活の中で大切な時間。目にする光景や色合いなどから影響を受けているように思います。
by Yuko Yamamoto
晴れやかな傘を携えて
今回の傘のコンセプトを考えるため山本さんのお話を伺っているうち浮かんできたのは、雨の日も陽射しの強い日も、自然を身近に感じ、愛おしい気持ちになれる……そんな存在感のある傘でした。
外仕事ができない雨の日は、家の中で静かな時間を過ごすのも気持ちが落ち着きますよね。
でも、気持ちがちょっとだけ上がるような、少しスパイスのきいた色合いの華やかな傘があれば、憂うつな雨の日でも、心も晴れやかにお出かけしたくなるかも。
by Yuko Yamamoto
手に取るシーンや人のことを思いイメージをふくらませる山本さんと共に、大切にしたいとっておきの傘の制作が始まりました。
まるでブーケのように
山本さんにとって身近なモチーフである植物。デザインにあたっては、ひとつひとつの草花の美しさと、ブーケにした時の華やかさをともに傘で表現できたら……と考えました。
ブーケといってもお店で作り込まれたものではなく、野原で摘んだ草花を束ねたような、長さも違えば向きも違う植物たちが集まったイメージです。
今回のモチーフは、香りのよい植物たちを集めてみました。
お茶のブレンドと同じように、層になって組み合わさることで、香りの深さやおもしろさが生まれる。てらいなく無造作に束ねたようでも、どの植物もそれぞれのインパクトや美しさを感じるように。
by Yuko Yamamoto
傘を開くと、ローズ・ピオニー・レモン・ユーカリ―・ワームウッド・エルダーフラワー・レモンマリーゴールドなどが全面にあしらわれ、まるでブーケが降り注ぐような美しさ。
花やハーブの香りで傘の中の空間が満たされるような感覚になります。
傘のカーブにそって植物があふれるような、空間がとっても華やかになる一本になりました。
外から見てもきれいですが内側から見ても素敵。自分だけの空間が花のように咲くから、傘を開くのが楽しみに。
今回、イラストを立体に組み上げましたが、見上げてみたり、閉じたものを横から眺めてみたり、平面のイラストとの見え方の違いがおもしろいと思います。
by Yuko Yamamoto
傘を閉じると、華やかなブーケを携えているかのようにも見えますね。
閉じた傘の先やギャザーの陰影に隠れた絵柄もとっても魅力的。細かなところまで山本さんのこだわりが注がれています。
捺染の技で趣豊かに
山本さんのドローイングの魅力を、捺染技術のシルクスクリーンプリントで見事に表現
してくださったのは、創業97年、東大阪の松尾捺染さん 。
サンプルが上がってきたとき、発色が思ったよりも鮮やかで、布の質感ととてもよくなじんでいる印象を持ったという山本さん。
布にプリントされることでイラストとは違う立体感が生まれて、より空気感が出るのが魅力的ですね。
布の質感となじんで、アンティークのリネンやワンピースのような、何となく懐かしい感じ。
by Yuko Yamamoto
熟練した裁断の技
プリントされた生地は、大阪の熟練職人さんのもとで傘へと仕立てられます。完成までほとんどの工程が手仕事というぜいたくさ。
中でも重要なのが、三角形の木型を生地に押し当てて、生地が伸びないように素早く、一枚ずつ小刀で裁断する工程。寸分のズレも許さない集中力と技が、傘の美しいフォルムの決め手となります。
使われている木型もこの傘に合わせた手づくりです。
三角に裁断された生地は特殊なミシンで縫い合わされます。石突き側の穴をかがり、つゆ先を取り付け、骨と生地の縫い留めと、職人さんの手の感覚を頼りに、素早く正確な作業は進んでいきます。
今では貴重になってしまった国産のこだわり傘。きりりとした気品とぬくもりは、こうした職人さんたちの手仕事に支えられています。
植物たちの小さな
サンクチュアリを手にして
開くたび、植物たちの可憐な姿と香りまでも感じられそうな、山本祐布子さんのイラストが全面に描かれた晴雨兼用傘。
これからの季節に、雨の日はもちろん日傘としても、毎日のお出かけにぜひ連れて行ってください。