コノシロの頭のゴミ箱 / ユキンコ の自遊きままな暮らしの手づくり

コノシロの頭のゴミ箱

みなさま、こんにちは。最近やたらと頻繁にエッセイに登場する娘ですが、おかげさまですくすくと成長し、この春から中学生になりました。これまで私と同じ部屋を共有して過ごしてきましたが、これを機に娘に個室を与えることに。「これからは掃除もゴミの片づけもしっかり自分でやってね」と親子でルールを決めました。

 

 

娘のデスクにはこれまで、床掃除をらくにするためにゴミ箱を置かず、ナイロン袋をデスクの天板に貼り付けて、ゴミ箱代わりに使用してきました。しかし今回デスクを木製のテーブルに新調するので、その素敵な木の色に合わせて少しよいゴミ箱を買おうかという話になりました。すると娘が、「それなら魚の頭のゴミ箱がほしい！」と。 昨年娘と水族館に行った際、コノシロという魚の頭部だけで作られたペン立てがあり、娘はそれをいたく気に入りました。そのペン立てに似たでっかい頭部のゴミ箱に、ゴミを入れたいと言うのです。「なるほど、ぱかっとあいた口にゴミを入れるってわけか！」

考えたことも、作ったこともない楽しいアイデアに私も心がウキウキし、魚の頭部をきれいに立体的にできるようあれこれと試行錯誤。くちびるの太さ、目のバランス、ヒレの色や角度など娘のこまかい希望をふんだんに取り入れると、なんとも滑稽でありつつ、やけに部屋にしっくりくるゴミ箱が完成。 　スッキリした物の少ない部屋が好きな娘の部屋は、布団、机、以上！という超ミニマムな空間です。そんな中、デスクわきに巨大な魚の頭部のゴミ箱がついたら、それはもうインパクトがすごい（笑）。思いのほか、作るのが大変でしたが「楽しい10代を送りなさいよ～」という母のエールをこのゴミ箱に込めました。あ、ちゃんとゴミ出しルールは守ってね。

次回もお楽しみに！

 

ユキンコ

『クチュリエの種』創刊時から作品を担当。娘の成長とともに自分の時間も増えてきました。 最近はソーイングにどっぷりはまり中。　

Instagram：＠yukinko_no_kurashi