カメムシのティッシュケースカバー
およそ1年半前、節約ライフの楽しみとして半分サイズのタニシのティッシュケースカバーを作りました。タニシはわが家の冷蔵庫にひっついて懸命にその仕事ぶりを発揮。「これ、いいよね」と娘といつも愛用していました。ところが、花粉症のシーズンになって娘から思わぬ不満が。タニシはハーフサイズのティッシュだったので、フルサイズでないと鼻をかみづらいと言うのです。それじゃあと、「大きなティッシュケースカバーはどんなデザインにしようか」と話し合ったところ、娘が「カメムシがいい!」と。フルサイズのティッシュは食卓テーブルの脚に取り付け、「あ、こんなところにカメムシちゃんが!」みたいにしたいというのです。
実は娘、虫が大嫌いで、見るたびにわーわー大騒ぎするほど。昨年緑色のカメムシが大発生した際、マンションの階段や廊下にいるのをひどく怖がるので、私が「大丈夫、これは枝豆が落ちてるようなもんだと思えばいいんだよ!」と言ったところ、あっさり腑に落ちたらしく、「今日も枝豆がいっぱい落ちてた」「壁にもひっついてた」「動きがゆっくりなところもなんか憎めないよね」とポジティブな存在に180度転換。私は以前からこの独特なカクッとしたデザインと明るいグリーンがかわいいと思っていましたが、枝豆と自分で言った瞬間からさらにかわいく見えてきました。もちろんにおいは別ですが……。
そんなわけで今回は、わが家(だけ)になじむティッシュケースカバーを緑色のカメムシデザインで。羽の下からティッシュが出てほしいという娘のややこしいリクエストは構造上うまくできないので、「これがいちばん取り出しやすいから!」と年長者の権威を振りかざして背中から出てくる形に仕上げました。手づくりのいいところは、完成するまでのプロセスも分かち合いながら楽しむところ。娘とのやり取りで生まれたカメムシを眺めながら、改めて実感するよい機会となりました。
次回もお楽しみに。
ユキンコ
『クチュリエの種』創刊時から作品を担当。娘の成長とともに自分の時間も増えてきました。 最近はソーイングにどっぷりはまり中。
Instagram:@yukinko_no_kurashi
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