手づくりの小さな贈りもの/ ユキンコの自遊きままな暮らしの手づくり

手づくりの小さなおくりもの

みなさま、こんにちは。お元気ですか。今月は知人のお子さんのための小さなソーイングケースを作りました。その子のために何か手づくりのギフトをしたいなとずっと心にあったものの、あれがいいかな、これがいいかなと実際に手を動かすまでに、1年半もの間イメージをふくらませていました。どうしてそんなに考えたかというと、「作ってほしいと頼まれていない」「お子さんの好みがわからない」この２点です。これまでたくさんの方に手づくりのものをプレゼントしてきましたが、大半はリクエストがあったもの。そのため、「自分が贈りたいから作る」という一方的な 、しかも手づくりという重みをどう軽やかにするかで長い間ウンウンうなっていたのです。 そうして、「赤毛のアンが持っていそうな藤のバスケットのソーイングケースはどうだ！」とある日ひらめいたのです。どこの家にもなじむ天然素材のバスケット風、そして小さければ邪魔になることもなかろう、よし、これだ！と。

 

 

そうして黄土色の生地を細かく刻んでパッチワークしてみたところ、まったくかわいくない仕上がりに。自分の考えが間違っていたのかと悩んでいると娘が横から、「自分が自信もっていい！って思えるものを作らなかったら、もらうほうだっていいってならないよ！！ 今のママの心がいいって思う布を選びなよ！」と激を飛ばしてきました。「そ、それでいいの！？」

 

娘に勇気をもらい、ストックした生地の引き出しから、その日の気持ちで取り出したのは淡い淡い水色やベージュ色の生地。それらをいちばんきれいに見えると感じる順番に並べてつなげ、完成。中身もいろいろ工夫し、回り道をいっぱいしてできあがった小さなソーイングケース。お子さんの好みに合うものになっていることを願いつつ、今度私の心がいいと思ったなんでもない日に贈ります！

 

ユキンコ

『クチュリエの種』創刊時から作品を担当。娘の成長とともに自分の時間も増えてきました。 最近はソーイングにどっぷりはまり中。　

Instagram：＠yukinko_no_kurashi