Patch-Work-Lifeが見た景色〜未来〜

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パッチワーク・キルトは、タペストリーやベッドカバーなど平面的な作品が多いですが、日常生活や暮らしの中で使える道具として作れないかな?と以前から模索していました。そんなとき、キャンプなどで日差しや雨よけに使用されるタープをパッチワークで制作できないかな?っと。

 

名付けて『空を泳ぐパッチワークジラ』です。

 

これは僕たちが、高知県黒潮町にある砂浜美術館の大自然の中で開催される日本で類をみない屋外キルトイベント『潮風のキルト展』のために2022年に制作した作品。

 

クジラのからだは全192枚の三角形からなる4色布のピースで構成されています。断ち切った一枚一枚に1㎝の縫い代をつけて、まずはしつけの作業。中央から順に少しずつ、だんだん自宅でも広げづらい大きさになってくると、ふたつに折りたたんだり、またがりながら、最終的には4×4mの大きさに。この時点での重さがすでに3.5㎏! ここから本縫いのミシンステッチは本当に大変で両手両足、からだのすべてを使う大仕事で、パッチワーク教室の講師陣が協力し合い、約3ヵ月かけてようやく完成したときは、みんなでハイタッチして喜びました。

 

砂浜美術館という建物がない一風変わった美術館で、このパッチワークジラが大空を気持ちよさそうに、何にさえぎられることもなく泳ぐ姿は、僕が目指す、自由で楽しい次世代のあたらしいパッチワークキルトの文化を体現しているような気がしています。

 

ありのままの自然の風景を受け入れ、そこに訪れ出会った人々が自分自身で、見方を変えたり、想像を働かせたりしながら、ひとつひとつの作品を大切に楽しめるこの砂浜美術館。全国各地から趣向を凝らした、個性的で自由なキルト作品が全106作品も集まって、松原の中にずらりと並びました。木漏れ日に輝くたくさんのキルト作品は気持ちよさそうに潮風になびいていました。

 

第28回 潮風のキルト展

高知県黒潮町にあるNPO砂浜美術館が開催しているキルト展。さわやかな青空の下、らっきょうの花見をしながら潮風にゆれるたくさんのキルトを楽しむことができます。2022年は11月18〜20日に開催されました。

 

Patch-Work-Life
丸井 康司(まるいこうじ)さん

インテリアデザインを専門とし、兵庫県宝塚市ではたらく人の家具と雑貨の店「The WorktuRe」を営業しつつ、キルト教室も主宰する。「あなたがパッチワークすれば、世界はもっと楽しくなる。」がモットー。
Instagram:@patch_work_life
HP:https://www.patchworklife.jp

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