素材が命! ぬいぐるみ作り の奥深さ / ユキンコの自遊きままな 暮らしの手づくり〜

ネズミのチュ〜学生

みなさま、こんにちは。今回は、ＳＮＳで素敵なぬいぐるみを作って発信している世界中のクリエイターさんにインスパイアされ、「ようし、私も来月は『自遊きままに』ぬいぐるみでも作ってみるか！」と思ったのですが、それが長い迷路への入口になるとは思ってもいませんでした。これまで、なんとなく素材に出会って、なんとなくチョキチョキして縫い合わせると絶妙にうまいこと仕上がることが多かった私は、のんきに考えていたのです。素材はなんとなくウールがいいなぁと最初に思い立ったのですが、季節は夏。なんとか手に入れた素材は頭の中で描いていたイメージとほんの少し違っていたものの、「まあでも、なんとかなるか！」と作り出すと、やっぱり微妙にしっくりきません。「でもまあここまで進めたし」とボディーを作って洋服を作り終えてみると、まったくかわいくないのです。顔がおっさんっぽいのか、バランスが悪かったのか、洋服が合ってないのか、はて……私はどこで道を間違えたのだろう？

提出期限が迫ってくるうちに「きままに」の文字は消え去り「必死に手づくり」の様相に。ひとりウンウンと唸っていたところに通りすがりの娘がさらりと「ママ、それ材料があかんやろ」とひと言。「それ、いちばん最初まで戻らなあかんやつやん」ということで材料探しからやり直し。なんとか見つけたふわふわモヘアのウールで作り始めると、あーら不思議。いつものようにサクサクと形ができあがり、わずか半日で生地から立体的なぬいぐるみが完成。「そのネズミいいやん。チュ〜学生の服着せたら？」とまたまた通りすがりの娘に言われて、学生服風の仕上がりに。素材が命……ぬいぐるみの奥深さを久々に思い知った制作になりました。

ユキンコ

『クチュリエの種』創刊時から作品を担当。娘の成長とともに自分の時間も増えてきました。 最近はソーイングにどっぷりはまり中。　

Instagram：＠yukinko_no_kurashi