播州織のはぎれを求めて西脇へ。tamaki niime を訪問 Vol.1

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東経135度と北緯35度が交わる日本の中心地点がある「西脇市」に到着。

兵庫県の中央に位置し「日本のへそ」とも呼ばれる西脇市は、200年以上の歴史を持つ先染め織物「播州織」の生産地としても知られています。川に恵まれた土地で、染色に適した軟水が豊富であったことなどから、あらかじめ染めた糸を用いての織物業が発展。タテ糸とヨコ糸の組み合わせの変化で、奥行きのある繊細な柄を表現できる播州織は、その美しさと品質の高さで、国内はもちろん、世界的なトップブランドの生地にも広く採用されてきました。

広大な染工場跡地に誕生した、tamaki niimeのlabに潜入。

戦後の好景気とともに播州織の販路も拡大され、生産量のピークを迎えた昭和60年代。しかし、バブルの終焉を境に播州織を取り巻く環境は厳しくなり、閉鎖を余儀なくされる工場も増えていきます。tamaki niimeのlabが生まれたのも、そんな場所のひとつ。labとは「研究室」の意。効率よい生産のために分業化が進む播州織を、あえて分業することなく、この場所にすべてを集約させる。自由で創造性に富んだ、一貫性のあるものづくりの場として、日々「実験」が繰り広げられています。大げさに潜入と書きましたが、事前に予約をすれば、実は誰でも見学可能!  詳しくはホームページをご確認ください。

1960年代の力織機と1980年代のレピア織機が今も現役。

少量多彩で、唯一無二。生産性にとらわれることなく、古い機械を大事に使って、ゆっくりゆるく、空気を含んだやわらかな生地に織り上げます。生地の個性を大事にしたいから、大量生産では考えられないような短さでヨコ糸の色を変え、常に「一点もの」を生み出すクリエーションを徹底。高密度に織り上げる従来の播州織とはあえて風合いの異なる、限りなく手織りに近い機械織で、理想の生地を追求。その結果、シャツに縫製するのが困難なほどやわらかくなってしまったため「巻きもなら!」と商品化されたのが、tamaki niimeのショールだというウソのような本当の話。

次回は、tamaki niimeのデザイナーで、niime村の村長⁉︎ 玉木新雌さんが登場! ものづくりへの想いや、有機的に広がり続けるさまざまな活動について、じっくりお話をうかがいます。

(tamaki niime)
showroom
〒677-0037 兵庫県西脇市比延町550-1
open: 11:00-17:00
closed: Monday・Tuesday
https://www.niime.jp/

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