tamaki niimeの「村」がある町。日本のへそ「西脇市」訪問 Vol.2

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前回に続き、兵庫県・西脇市にある tamaki niime の本拠地、通称「niime村」のレポートをお届け。デザイナー・玉木新雌さんへのインタビューをたっぷりとお楽しみください。

綿花栽培から、染め、織り、仕上げ、販売まで、すべて自分たちの手で。

「大阪でブランドを立ち上げたのが2004年、当初は播州織の生地でシャツをつくっていました。その後、職人さんとの出会いもあって西脇市に移転。素材のことをもっと知りたかったし、ここに暮らすことで、自分たちにしかできないものづくりが深められると思ったからです。パートナーと二人で始めたtamaki niime の仲間は現在100人を超え、できることも、やりたいことも増えてきました。もともと糸を染める染工場だったこの場所に、個性のある古いを織り機を導入し、生地を織り上げ、裁断から縫製、販売まで、一貫して自分たちで手がける。何事にもとらわれすぎない自由なものづくりをこれからも大切にしたいです」

人の垣根をなくしたいから視覚的にも壁をなくして、光と風の通りよく。

「仕事場だけでなく学校、播州織とかアパレル業界全体にも言えることですが、世の中って基本的にタテ割り社会じゃないですか。分業とかチーム化されることで見えない壁ができることに、私は小さな不穏を感じていて、ここでは人と人との間に生まれる垣根をいかになくしていけるのか……。その解決策になればと、lab内の壁をなくしてオープンな空間にしました。生産工程を一つの場所にまとめ、それぞれが見えるようにしていれば、いざ何か問題が起きたときに助け合えうこともできる。自由と責任をセットにして自分のこだわりを手放し、labの仲間や地域の人々に託すことで、tamaki niimeとしての活動はさらに大きく広がっているなと実感しています」

lab から村へ。垣根を超えた人々が創造する、暮らしと生き方のカタチ。

「綿花の栽培をきっかけに農業にも興味が湧き、今では無農薬での米作りにも挑戦しています。西脇は織物の産地だけど、素材としてウールも使いたいからヒツジを育て、アルパカやカシミヤヤギにアンゴラウサギなど、動物の仲間も年々増えています。これもこの土地の特性を生かした、自由で豊かな活動のひとつ。もともとはファッションが好きで服づくりをはじめたけれど、これから先も続けたいのは、単におしゃれなだけではない、一生着られる暮らしに寄り添うものづくり。そしてできるだけ自然にやさしい選択をしていきたいですね」

次回は、ハギレの玉手箱のこと。リスノスよりリリースされた「播州織ハギレセット」のアレンジ作品の紹介などもしていきます。どうぞお楽しみに!

tamaki niime
showroom
677-0037 兵庫県西脇市比延町550-1
open: 11:00-17:00
closed: MondayTuesday
https://www.niime.jp/

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