「バヌルイヤギ」で糸と針の物語にふれる / ヘジンオンニのごきげん韓国レポ
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アンニョンハセヨ~。みなさんは、冬といえば何を思い出しますか? 私は、屋台のプンオパン(韓国風たい焼き)やおでん、オンドルに敷いた布団の中で食べるミカンを思い出していますが、みなさんは「そろそろ編み物しようかな~」なんて思っている方がたくさんいそうです。さて、そんなみなさんにぜひご紹介したいのが、韓国で今話題のスポット「バヌルイヤギ」です。バヌルイヤギとは、“針の物語”という意味。ここは糸と針の物語がいっぱいいっぱい詰まった、編み物の総合文化空間と言われています。さあ、さっそく見に行きましょう!
バヌルイヤギがあるのは、弘大、延世大、梨花女子大学など韓国の有名大学が点在し学生が集まる街、ソウル延禧洞(1)。ここにオープンした当初からバヌルイヤギはとても話題になりました。それもそのはず、バヌルイヤギはそれまで地方の1店舗だけ、あとはネット販売を中心とする編み物の会社だったのです。
スタイリッシュな4階建てのビルのドアを開けると、床から天井まである壁面にずらりと並ぶ色とりどりの毛糸がお出迎え。ここがまさにお店の顔です。
ここの1階のショップには、色や種類別に、さまざまな毛糸が販売されています。韓国製はもちろん、フランスやオランダなど、バヌルイヤギが厳選した世界中の毛糸がそろっていて、見ているだけでも楽しい空間(2・3・4)。
毛糸などの材料だけでなく、編みあがった完成品も販売されているのもおもしろいですね(5・6)。また、編み物の知識が豊富な店員さんがいて、編み方や材料についてなんでも相談に乗ってくれるのはもちろん、ここには、お客さまも編み物好きさんが多いので、お客さま同士でアドバイスしあう光景が、そこここで見られます。「あなたのそのバッグ、手編みですか?」と声をかけられた人が、糸の紹介や編み方、制作時間などを教えてあげるなんてことがあるそうです。
カフェスペースの2階は、おいしそうなフードバー?かと思いきや、なんとこのお菓子に見えるものはすべて編み物作品。ケーキ、ドーナツ、マカロンなど、それはそれはかわいくて心が踊ります(7)。
ここでは、ほとんどの人が編み物をしながらティータイムを楽しみます。お年寄りや、なにやら熱い編み物談義を繰り広げる20代らしきグループまで幅広い世代が集い、中には休みの日のスタッフもいるそう。さまざまな年齢の人がひとつの空間で編み物をしている光景は何だかあたたかみがあって、うれしくなる光景でした(8)。
そのほか、3階は手編みの趣味から専門家課程までを受講できる編み物専門のスクール、4階はスタジオ作業室となっており、まさに1階から4階まで建物すべてが編み物にまつわる総合文化空間となっているのです(9)。
バヌルイヤギのマーケティング担当キム・ボギョン代理は、ここを「誰でも気軽に立ち寄れるコンビニのような空間」にしたかったと話します。「編み物はお年寄りの趣味と思われがちですが、そのような認識を変えたかった」と、そのためにわざわざ若者が集まるこの街に店を出したそう。「若者が楽しめるようインテリアに力を入れ、階層を高くし、商品の陳列や配置にアイデアをちりばめた」、と言います。 バヌルイヤギは、YouTubeの講義チャンネルも運営していて韓国のニッターに大人気。現在、登録者数が26万人を超える規模になっています。キム代理の若い感覚を加えることにとても注力していて、さらに初心者目線で詳しく編み方を説明するところが人気の秘訣だとか。
韓国での編み物文化をたっぷりと味わえる、編み物総合文化空間 「バヌルイヤギ」。お店にもオンラインにもぜひ訪れてみてほしい空間です。
バヌルイヤギ ヨンヒ店
ソウル西大門区ヨンヒドン130-8
YouTube:www.youtube.com/c/banulstory
instagram:@banulstory_official
金 惠珍(キム へジン)
김 혜진 / KIM HYE JIN
生まれも育ちも韓国蔚山の韓国人。第2のふるさとは、通っていた大学と会社がある神戸。現在は、韓国春川でインテリア会社を運営。趣味は料理とお茶を飲むこと。
Instagram 「春川、UNO家のおうちご飯」:@uno_cook
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