ハンドメイド ひとりだけの、あそび時間 / いとしい手づくり
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ちいさいものを作る部屋
ピアノを弾いたり、絵を描いたり、編み物をしたり。そんな時間は、いつもの日常から意識がふわっと離れた気持ちになるような気がします。そんなひとりだけの、あそび時間がわたしはとても好きなんです。
思い返してみると、わたしは時間のかからない、すぐにできあがりそうな、ちいさくて簡単なものしか作ったことがありません。昔、毛糸のくつしたを何足も編み続けたことがあります。はきたいからというよりも、ただただ、くつしたを作り続ける時間が楽しかったんです。
フェルティングニードルも同じ。ちいさくてシンプルなのがいいんです。針をただただ刺していくとできてくるんです。何ができるかはそのときの気分。上の写真のものは最初、シロクマを作るつもりで始めたのですが、ふと思いついて黒いフェルトも追加してみたんです。そうしたらかわいい輪郭ができあがってきました。いつもそんな流れです。自由なんです。なんでもありです。このときは最後に、わたし好みのちいさな友だちが現れたのでした。
ちいさな赤いカシミアセーターも同じです。余った少ない量のカシミアの糸をガーター編みしていたら、セーターができそう、となりました。編み物はやり直しができるからいいですよね。いきつ戻りつ思いつくまま手を動かしていたら、このときは手のひらサイズのボートネックの赤いセーターがいい感じでできたんです。そうしたら、うちにいるグレーの猫も、白いテディーも、ロンドンで見つけたウォーカーズのクマも、みんなサイズがぴったりなのでした。
少しの時間でいいんです。そんなふうにわたしだけの「秘密の部屋」にこもって、自由に楽しむ時間が、わたしはとても好きなのです。
フォトグラファー 大段まちこ
神戸生まれ
共著に「花と料理」リトルモア
odanmachiko.com
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