時代にあったデザインで、大好きな刺繍を未来に継承したい

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東京・自由が丘の教室を中心に全国で講師活動を行うかたわら、雑誌や書籍、テレビなど幅広く活躍されている刺繍作家の大塚 あや子さん。前回に引き続き、今回は、刺繍作家としてのエピソードや、刺繍への思いを中心にご紹介します。

本格的に刺繍の仕事を始めたのは、意外と遅く50歳を過ぎてから

「CAを辞めて結婚してからは、ずっと専業主婦だったんです。お稽古事として、刺繍を習い始め、講師の資格をとりました。ある時、急病になられた先生に代わって、急遽、本のお仕事を引き受けたのがきっかけですね」。

次々と来る仕事を夢中で受けてきたことが、いい勉強と経験に

「それからだんだん声がかかるようになって。スタンプワークの本の話が来たり、雑誌の連載が増えたり。1ヵ月に10社くらい出版社の仕事を抱えていたことも。白糸刺繍の本は、本場のヨーロッパですごく好評で。英語、フランス語、韓国語、中国語、ロシア語……、翻訳され、たくさんの国で出版されました」。

伝統的な刺繍を使って新しいことをすることに、わくわくするんです

「海外に行っても、刺繍されているのはお年寄りばかり。若い人に受け継ぐには、テクニックだけじゃダメ。デザインが継承するんだと思います。刺繍という伝統を未来につなぐため、テクニックのある者がデザインすること。それが自分の使命だと感じています」。

ポジティブ思考で成功させたNYの個展

国内外の広告の仕事も数多く手がけられている大塚さん。「ポスターを見ただけで、私の作品だと気づいてもらえたのはがうれしかった」。60歳の記念にNYで開かれた個展も大好評だったそう。「私、大作が好きなんです。たたみ1畳くらいの作品も、計画を立てながら黙々とひとりで刺しています」。

年齢を重ねるほど、思い通りの表現ができるような気がする

「刺繍って、体力なんです。来年70歳になるんですけど、実はまた個展を準備しているんですよ。私、今がいちばん刺繍が上手なんじゃないかしら。年齢を重ねてくると、思ったように表現できるようになっていくのだと思います」。

とても来年70歳には見えない、若々しくてお美しい大塚さん。次回は、そんなパワーあふれる大塚さんのプライベートを中心に紹介します。

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