布、ビーズ、スパンコール。素材にときめいて / 恋するパリ通信

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2020年、11区のアリーグル広場近くにオープンした、小さなかわいいお店Petit Pan。わた入りの掛け布団や小さなクッションなどのかわいい小花柄は、中国からきた生地でできたものたちでした。今はモンマルトル地区とマレ地区にインテリアとメリスリー(手芸店)のお店を構え、オリエンタルでエキゾティックなものが大好きなフランス人を楽しませています。独自の世界観がかわいいこのお店を今回はレポートしたいと思います。

ブルーをテーマにディスプレイされていたお部屋。
フランス人はオリエンタルでエキゾティックなかわいさが大好きで、子ども部屋のデコレーションも人気。

以前おしゃれなパリジェンヌの家に取材に行ったとき、小さくてとてもかわいいクッションが置いてあって、「Petit Panというお店で買ったのよ」と教えてもらったことが、このお店と私との出会い。そこから私はこのお店に通うようになりました。

なんでもこのお店は、2000年9月、オーナーのミリアムさんに届いたひとつの小包から始まったのだそう。その小包には小さなジャケットとパンツが入っていて、それは中国に住むおばあちゃんから孫への手づくりのプレゼントだったのです。ミリアムさんはそれらの柄に魅了され、そして何より快適な洋服に息子さんも喜んだそう。それがPetit Panの物語の始まりになりました。

お店に通い出した当時、私にはまだ子どもがいませんでしたが、それでもとてもかわいい生地に魅了されて、小さなピンクの花柄のクッションを買ったことを今も覚えています。息子が生まれてからは掛け布団や小さいクッションを買い足し、息子が成長してその掛け布団が小さくなると、それが今度は愛犬ナナの敷き布団にもなりました。息子からのお下がりでしたが、ナナはその布団がとてもお気に入りでした。直しても直しても擦り切れてしまって今はもう処分してしまいましたが、家族のお気に入りでもあったその布団は、ナナの思い出とともに心に残っています。
 

50㎝(10ユーロ〜)から買えるコットン生地。小花柄や幾何学柄などパターンがたくさん。この日もこれから生まれる赤ちゃんの部屋のカーテンを手づくりしようという夫婦が生地を選びにきていました。


さて、Petit Panで売られるものの魅力は、なんと言ってもその色合い。ここで売られる生地や商品の生地は、中国からセレクトして送られてきたものなのです。どうりでPetit Panに行くとどこか懐かしい気持ちになるわけです。

中国レッドや中国ピンクと言いましょうか。青みがかった赤やピンクはヨーロッパでは見ない独特の色合い。ヴィヴィッドなのにやさしい感じがするのは、アジアの色だからなんですよね。タイを旅した時に市場で生地を買った思い出もこみ上げてきます。小花柄や幾何学柄もどこかノスタルジック。今はやっているヴィンテージの藤の家具やスカンジナビアの木のぬくもりのインテリアとの相性もバッチリです。フランス人はこのテイストが大好きで、上手にインテリアに取り入れています。
 

左 生地と同じカラーテイストのファスナーなどがそろうのもうれしい。/ 右 ポップなカラーバリエーションにも心が弾みます。

私のオススメはビニールコーティングの生地。ビニールコーティングの生地は、ふだんかわいいものを見つけるのがなかなかむずかしいのですが、ここには豊富にそろっています。テーブルクロスにするのもおすすめですし、ポーチやバックなどの小物を作ってもかわいいです。とてもやわらかい素材なので、使いやすいのも気に入っています。コーティングには、自然にかえりやすい生分解性素材が使用されていて、環境にやさしいのも私のお気に入りです。
 

ビニールコーティングしてある生地も人気。ポーチにしたり、バックにしたり。テーブルクロスにもおすすめ。50㎝(13.50ユーロ~)から買えます。

また、好きな長さにカットして買えるコーナーには200種類ほどの生地が売られているのですが、パッチワーク用にカットした小さな生地なども売られています。昔、店内にとても素敵なパッチワークのカーテンがかかっていて、それを見ては「こんな素敵なものを作りたい!」と夢見たものです。
 

ビーズとスパンコール、はぎれのコーナー。はぎれはポーチを作るのに人気だとか。50cm×70cm で5.5ユーロから。パッチワークする人にも人気だそう。

そのほか、インテリアのインスピレーションになるものなどもたくさんあるので、見ているだけでもワクワクするし、作ろうと思ったらお店で材料がすべてそろうのもうれしい。最近は、友だちの娘ちゃんや怪獣(息子)の仲よしの女の子にプレセントをあげる時、鈴にヒモに通すなどここで買ったちょっとしたものをアレンジし、おまけとして添えるのがマイブームです。息子には「女心はまったくわからない」とあきれられますが、女の子はいくつになってもキラキラしたチマチマしたものが好きなんですよ。そんな素敵なものが詰まっているのがPetit Panなのです。
 

左 バイアステープも生地と同じ柄がそろっていて、メーター売りで買えるのがうれしい。 /右 今回はかわいい鈴をお買い上げ。何も買わずには出てこられません。
スパンコールもたくさん。女の子はキラキラしたものが好き!

 
 

恋するパリ通信

Petit Pan
76 Rue François Miron・75004 Paris
TEL:01 44 54 90 84
月〜土/10:30〜19:00
日曜日/11:30〜19:30
https://www.petitpan.com


TAKANAKA MASAE
雑誌や広告でファッションコーディネーター&スタイリストとして活動中。
パリに住んではや20年、毎日自転車でパリの街をパトロールしています。
Instagram 移動花瓶屋さん @cabin.e.paris パリの日常 @massaetakanaka

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