編み物で春川の町を彩るアーティスト / ヘジンオンニのごきげん韓国レポ

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私が住んでいる韓国春川(チュンチョン)の町で出会った小さくて古いいす。黄色い編み物の服を着ているおかげで、後ろのコンクリートの壁までイキイキしてみえます。誰の手づくりなんだろ!?と興味津々で調べたところ、それは春川出身の美術専攻大学生のユン・ソルヒさんの作品でした。

手づくり美しく愛のあふれる町へ

『黄色、花、椅子』

韓国国内で2年連続「最優秀文化都市」に選ばれた春川市では、都市の活性化に貢献する市民を支援するプロジェクトがあります。ソルヒさんもこのプロジェクトの一環として、作品を制作していました。

かぎ針編みと、犬のラオンちゃんと散歩することが大好きなソルヒさん。 生まれてからずっと過ごしてきた地元春川には、思い入れのある場所がとても多く、夏休みに帰省した際に散歩しながら近所のあちこちにある古い家具や少し残念な物や空間を見て、それを趣味の編み物を通じて美しく変える活動をしてみようと思ったとのことです。プロジェクト名は「道を歩きながらも芸術を感じられる都市を作ろう!」です。

周りの環境と馴染むようにすることがポイント

『駐車禁止の看板』

インスピレーションの沸く適切な物や空間を発見すると、まずはサイズを測って写真を撮ってメモをします。そして、デザインが決まると編んで設置する。「何の説明もなく、そのままの野外に作品を設置するので、周りの環境にどのぐらいなじむのかが私にとっていちばん重要なポイントでした」とくに、木や草との調和が必要な作品の場合は、少しでも自然物と近く感じられるように毛足の長いファンシーヤーンと一般綿糸を混ぜて編んだり……。」

左:『ポストボックス』 / 右:『お花』

『ポストボックス』、『黄色、花、椅子』のような作品は、もとある物と似た色の糸にポイントになる配色の糸を加えて、その場に調和できるように工夫したそう。みんなが町の散歩中に作品に目が留まりながらも派手に目立たないように。そのおかげもあってか作品は町の人に受け入れられていたと感じました。例えば雨の日は、作品を一時的に避難してくれたり、動かすことのむずかしい作品にも誰かが雨に濡れないようにビニールをかけてくれたりして、感動したといいます。

左:『滑り台』 / 右:『電信柱に咲いた花』

ふだん編み物をして周りにプレゼントすることが大好きだというソルヒさんですが、今回このプロジェクトを通じて新しい楽しさ、うれしさを感じて、これからも、編み物でさまざまな形で楽しい作品活動をして行きたいとのことです。

町ぐるみでアート感度の高い春川とソルヒさんの活動に、これからも目が離せませんね。

次回もお楽しみに。

ユン・ソルヒさん

Instagram:@yoosolhui

 

 

金 惠珍(キム へジン)
김 혜진 / KIM HYE JIN

生まれも育ちも韓国蔚山(ウルサン)の韓国人。第2のふるさとは、通っていた大学と会社がある神戸。現在は、韓国春川(チュンチョン)でインテリア会社を運営。趣味は料理とお茶を飲むこと。
Instagram 「春川、UNO家のおうちご飯」:@uno_cook

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