
世界的アスリートであり、ニットアーティストとしても活躍中のトム・デイリーさん。「編み物王子」として日本でも多くのファンを持つ彼の世界初の個展が、2024年11月に東京で開催されました。愛にあふれた個展の様子をレポートします!
編み物の楽しさをみんなで共有したい
2021年の東京オリンピックで、競技の合間にプールサイドで編み物をしている姿が話題となり、「編み物王子」として注目を集めた飛び込み選手のトム・デイリーさん。彼のニット作家としての世界初の展覧会「Made with Love by Tom Daley」が、2024年11月にPARCO MUSEUM TOKYOにて行われました。

会場には彼の手編みによる色とりどりのニットが展示され、カラフルな色遣いと独創的なデザインが多くの人を虜に。ワークショップやフォトセッションも開催され、「編み物の楽しさを多くの人とシェアしたい!」という彼の思いが体感できる特別な18日間となりました。

会場は、まるでトムさん自身の人生の森に迷い込んだような構成に。少し心細く感じる小道を進んでいくと、その背中を押してくれるように個性豊かな作品が次々に現れます。

最後は飛び込みの競技プールを思わせる広くて明るい部屋に到着。彼がいくつもの壁を乗り越えて自分自身を自由に表現し、晴れやかに獲得した金メダルが、彼いちばんのお気に入りだという東京オリンピックをテーマにしたニット作品とともに展示されています。


「思ったように前に進めないもどかしさ、飛び込み競技に挑むまでの緊迫した気持ち、そんな不安な日々を支えてくれた編み物がもたらしてくれるやすらぎなど、ぼくの心の旅路と心象風景をカラフルなニットで表現しました。心細くなったり、自分に自信が持てなかったりする経験は誰にでもあることだと思うので、思い思いに共感してもらえたらうれしいです」

今回の個展のテーマは「LOVE」。その名の通り、ひと針ひと針に愛がこめられたニットの数々は、トムさん自身の人柄や、人生への向き合い方を表しているようです。
「編み物はぼくにとって大切な人生の要素であり、愛の表現手段であり、心を落ち着かせてくれるもの。そして、自分自身の可能性を最大限に引き出してくれるものです。間違えたところをほどいて編み直すこともありますが、それは決してゼロに戻す作業ではなく、過去の経験も含めながら前に進むということ。編み物においても競技においても、ミステイクはぼくの人生の一部。今の自分は過去の学びからできているということを、編み物を通して日々実感しています」
編み物は、クール&クリエイティブ!
トムさんが編み物を始めたのは、2020年3月、英国でコロナによるロックダウンが行われたときのこと。「飛び込みの練習もできず、途方に暮れているときに始めました。経験はゼロでしたが、SNSなどの動画を参考にまずはクロシェから編みはじめ、数ヵ月かけて少しずつイメージ通りに編めるようになり、どんどん夢中になっていきました」

現在は自身のニットブランドを持つほどに上達したトムさん。アスリートとしての活動と、ニット作家としての活動は、どのように影響を与え合っているのでしょうか。
「編み物はスイッチオフできるもの。アスリートとして気持ちが高揚しているときに編み物をすると、心が落ち着き、メンタルケアに効果的です。自身をクールダウンできるものでありつつ、同時にクリエイティブな行為でもある、というのが編み物のおもしろいところ。ぼくは子どもを寝かしつけた後に編むことが多いのですが、のってくると、あとひと針、あとひと針と思いながら止められなくなる。こういうときのフローな状態は、とってもスペシャルな体験です」




同性パートナーとの子育ての様子を日々SNSで公表し、多様性をエンパワーする世界的アイコンとしても知られるトムさん。
「世界中のすべての人が、その人自身として生きる権利を持っているはず。みんなが好きな人と自由な人生を過ごせますように、愛がそれを導いてくれますようにという思いを、これからもぼく自身の人生やニットを通して表現し続けたいです」


トム・デイリー展覧会『Made with Love by Tom Daley』は、PARCO MUSEUM TOKYOにて2024年11月8日〜11月25日に開催(すでに終了)。
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