ほわわん / いとしい手づくり

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ほわわん

随分前にご縁があった星ヶ丘洋裁学校。ここの園長先生はマルチアーティストで、自らもいろんな教室を手がけており、ある時その中の陶芸を体験した。それから17年ほどたったある時ふと、また陶芸をやりたい!という思いが湧き、園長先生の陶芸教室に通い始めた。3時になると園長先生がいれるコーヒーと持ち寄ったおやつでの休憩タイムもあるような、和気あいあいとした教室だ。通い始めて早々、私は何を思ったのかいきなりの大物、急須が作りたくなった。心地のいい急須をイメージし、心から湧き出てくるほわわん……としたものにたゆたい、やってみる。できあがったのは、無骨。そしてなんだかアラジンの魔法のランプっぽい?(笑) だけど注ぎ口は水切れもよく、意外とかわいくて、私のお気に入りの一品となっている。

ある日、ここの陶芸仲間でもとアパレルデザイナーの方が、1DAYワークショップをすることになった。すると洋服を作りたいモードが復活。私は服飾専門学校を出ているが……それ以来うん十年ぶりのちゃんとした洋服作りとなる。でもワークショップのテーマがパンツと聞いて、なぜかとてもイメージが湧き、教室にある生地の中に、たまたま好みのバティック生地も見つけた。専門学校以来、久しぶりによみがえる学校感、段々と仕上がっていく充実感を味わう。できあがって大満足。試着してみると、自分で言うのもなんだが、いい感じ。しっくりくる。

最近は、知人から新たに手ほどきを受け、木版画やシルクスクリーンなども体験。湧き上がるテーマみたいなものに、素材との想いが連なり、手づくりすることには格別な喜びがある。どの手づくりでも、ほわわんとした気持ちやイメージが湧いてくることが楽しい。それを発露にして形が現れ、世界でひとつのものができあがるのだから、自分自身の奥にあるものはとても大切だ。今度はどんなものが自分から出てくるのだろう? とおもしろくなっている。だから手づくりはやめられない。

 

上良 美紀
雑貨や料理など暮らしにまつわるスタイリストとして、書籍やカタログ等で活動中。趣味はコミュニティーファーム。

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