NYの中でも今最もアートがアツい地区が、グリーンポイント。ブルックリンの北端に位置し、19世紀から20世紀初頭にかけてポーランド系を中心とした多くの移民が住み着いた地域です。この15年で多くのアーティストがギャラリーやセレクトショップを開き始め、今では全米でも有数の芸術的スポットに。そんなグリーンポイントを今回はリポートしたいと思います。
NYの中でも注目が集まるグリーンポイントですが、地元の人に愛されるがゆえ、実は旅行ガイドにはほとんど取り上げられていない穴場の街。アメリカに住んで20年、ここでたくさんの仕事をしてきた僕が、手づくり好きのみなさまにきっと気に入ってもらえるお店を厳選してご紹介します。
まず一軒目は、India St.に位置するThe WonderMart。2019年にオープンしたこの小さなお店には、NY州内で作られたアーティストたちの商品や新進気鋭のブランドの商品のみ、常に200点以上が鎮座。訪れるたびに新しいアイテムとの出会いがあって、飽きないんですよね。
何よりも店主のPerriさん自らキュレーションしているだけあって、ひとつひとつのブランドについて詳しく説明してくれるので、作家のこだわりにふれながら、お気に入りの一品を探していけるのもおすすめのポイント。
今回はセイロの形をした香炉と、女性の下着姿をモチーフにしたステンドグラスの二点が目に留まりました。ゲイの友人が好きそうなのでプレゼントしようと思います!
さて、The WonderMartを出てすぐ斜め向かいのRadio Bakeryは僕激推しのベーカリー。店内には工房が併設されていて、焼き立てのパンをその場で楽しめます。
特に名物のクロワッサンは人気がありすぎて、地元の人だけで売り切れてしまうため、ガイドブックに載る必要がないほど。ということでそんなめったに買えないものを紹介されても困るよという読者のみなさまのために、もう一軒僕がおすすめしたいベーカリーが、Radio Bakeryから南に歩いて2~3分のところにあるOld Poland Bakery。
グリーンポイントは歴史的にポーランド系の人が多く住んでおり、ポーランド名物のパン屋さんがたくさんあるのですが、中でも特に菓子パンの人気が高いお店がここ。チョコレートが練り込まれているパンは僕の夜更かしに欠かせないアイテム。甘さがちょうどいいんですよね。これなしでは仕事が進まないと言っても過言ではありません。
ちなみに隣にあるバーThe Brew Innも地元の人たちに愛されているお店のひとつ。今や若者たちが集まるにぎやかな街となったグリーンポイントですが、古くからここに住んでいる人たちが集まり、しっぽりと飲み明かすことができるこのバーでは、ゆっくりとした時間が流れています。
アメリカのバーは飲み物以上にハンバーガーが有名で、ここのチーズたっぷりのバーガーもぜひ試してもらいたい一品です。
そしてさらに歩くこと5分。かわいいピンク色のクラフト用品店、Brooklyn Craft Companyが見えてきます。店内に所狭しと並べられている商品を見ていると一般的なクラフト用品店と思われるかもしれませんが、このお店の最大の魅力は数々の質の高い手芸クラス。編み物やミシンの使い方など手芸の基本が学べるベーシッククラスはもちろんのこと、マクラメやしぼり染めなど、ここでしか学べないクラスも多くあり、ニューヨーク州以外の遠方からも彼らのクラスを受けに来る人が多くいるそうです。
グリーンポイントは、若者たちが今最も注目し遊びに繰り出す地区なのですが、旅行ガイドブックではあまり紹介されていないということもあり、今回は地元をよく知る玄人目線で、数ブロックを歩くだけでこの地区のこだわりや歴史が感じられるお手軽お散歩コースを紹介してみました。自由の女神やタイムズスクエアもいいですが、NYにお越しの際には、ぜひマンハッタン地区から飛び出して、グリーンポイントにも足を伸ばしてみてください。
池澤 崇
「好きなこと以外はやらない」というポリシーのもと、自由の国アメリカ・NYで日本文化スペースRESOBOXを運営中。趣味は登山と居合道とバイオリン。NYに住む日本男児3人でポッドキャスト「オールナイトニューヨーク」も配信中。ぜひ聴いてみてください。
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