刺繍をしたあと布を切ってかがるなど、一手間加えてできあがるハーダンガー刺繍。北欧のノスタルジックな模様はできあがるたびにときめきます!
目次
ハーダンガー刺繍とは?
布目を数えて刺繍したあと、織り糸をカットして、残った織り糸をかがるのが特徴の、ノルウェーの伝統的な刺繍技法です。太さの違う2種類の糸を使うことが多く、幾何学模様の力強さと、レースのような繊細さの両方を併せ持つのが魅力です。
材料と道具
糸のほか、そろえる材料は以下の通りです。
・刺繍布
コングレスなど、縦横が均等に織られた布。初心者さんには、コングレスなど織り目のはっきりした布がおすすめです。
・刺繍糸
コングレスには、8番糸・5番糸が適しています。
・クロスステッチ針
※先の丸い針を使用します。
・よく切れる先のとがったハサミ
・しつけ糸
・マスキングテープ(あれば便利)
ハーダンガー刺繍の刺し方
布に下準備をしてから、ステッチを始めていきましょう。
◇布の準備
刺繍をする前に、布の下準備が必要です。
布端にほつれどめ(しつけ糸でまわりをかがる、またはマスキングテープを貼る)をし、しつけ糸で中心から4目ずつの印をつけます。(これが刺繍をする際のガイド線になります)
◇ストレートステッチを刺します
刺繍糸の5番を使用します。
・刺し始めA
ストレートステッチはこの方法です。
玉結びをせず、糸端を1〜2cm残して、後のステッチで隠れる場所の中央付近から表側に針を出し、1目下に針を入れます。(1目返し針をします)
刺繍図案のスタート位置から針を出し、刺繍図案に沿って刺し進めます。
布の裏側では、刺し始めの糸端をくるむように糸を渡し、数目刺したら余分をカットします。
刺し始めは玉結びをせず、1針すくって刺し始め位置に針を出します。
布目をすくって針を出し、図案を参照して、刺していきます。
角まで刺したら向きを変え、同様にストレートステッチを一周刺していきます。
裏に渡っている糸に通し、途中で織り糸を1本すくい、糸を処理します。
・刺し終わり
特に指定のない場合の刺し終わり方です。
針を布の裏側に出し、図のように裏に渡っている糸の間に通し、途中で布の織り糸の1本をすくいます。(布の表にひびかないようにしましょう)
手前の1本の間に通し、裏に渡っている糸を割るように数本くし刺しにして戻ります。
糸を引いて根もとで余分をカットします。
新しい糸で、刺し始めの始末をしてから刺し進めます。
ストレートステッチができました。
◇織り糸をカットして抜きます
よく切れる先のとがったハサミを使いましょう。
カットするのはここ! ※写真の青部分に注目。図案のカット位置も参照
織り糸を1本ずつカットします。刺繍糸をカットしないよう、布に対して垂直にハサミを入れるのがポイント!
カットした織り目を引き抜き、そっと真横に引っ張ります。邪魔になる部分のしつけ糸をカットして外します。
織り糸がすべて抜けました。
◇残った織り糸をかがります
今回はマルティーズクロスステッチをします。
・刺し始めB
マルティローズクロスステッチはこの方法です。
玉結びをせず、布の裏に渡っている糸の間を通し、手前の1本はとばして、図のように糸の間に通して戻します。
もう1度端のステッチ1本をすくい、糸を引きます。針をスタート位置から表側に出します。
刺繍図案に沿って刺し進めます。
裏に渡った糸にからめて刺し始め、織り糸の間から表に針を出します。
織り糸2本が半分ずつくらい隠れるまで巻きかがり、右斜め上の織り糸をすくいます。
②の織り糸の残り半分が隠れるまで、8の字を描くように2辺の織り糸をかがります。
残り半分の織り糸が隠れるまで巻きかがります。
1つめのブロックが刺し上がりました。
90°回転させ、同じように2つ目のブロックを刺していきます。
4ブロックともかがり終わったら、裏で糸を始末します。※刺し終わり参照
残っているしつけ糸をすべて外したら、できあがりです!
◇ピンクッションに仕立ててみました!
手づくりが楽しくなる、かわいいピンクッションの完成!
図案
憧れの繊細な刺繍は、少しずつステップアップを目指そう!
布目を数えてステッチしたり、織り糸を1本ずつカットしたりと、細かい作業を繰り返して作るハーダンガー刺繍。まずは初心者さん向けの材料を使って、手順をきちんとマスターしていくことをおすすめします。きれいに仕上げるコツは、とにかくていねいに、身長にひとつひとつの工程に取り組みこと。優雅な気持ちで取り組んでくださいね。
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