大人気 刺しゅう作家ダルヌン かわいい世界観をお届け / ヘジンオンニのごきげん韓国レポ
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アンニョンハセヨ!ヘジンオンニです。
今回は、韓国で大人気の刺しゅう作家、ダルヌンさんのとってもかわいい刺しゅうの世界観をお届けします。
私をなぐさめる小さき物たち
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ダルヌンさんが幼いころに初めて通った「美術」という習い事。大層なものではなくて、文字や数字なども合わせて、総合的に教育してくれる小さな町の習い事だそうですが、そこで手を動かすことにとても興味を持ち、学校の休み時間ごとに刺しゅうをしたり、クラブ活動でクロスステッチをするような学生時代だったそうです。「はやりの手芸はすべてチャレンジするような感じで、とにかく手を動かして何かを作るのが大好きな学生でした」
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会社員になると、ときどき絵を描くようになり、「静かな心で周りを見渡し、当たり前のように隣にたたずむむ小さな存在に目を向けて……。その物との思い出を思い浮かべながら筆やペンを走らせていると、それが私にとって大きな癒やしになりました」
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そうして絵を一日一枚、インスタグラムに投稿していったそう。「そのころに刺しゅうも始めました。最初は刺しゅうと言えるほどでもなく線に沿って縫っていただけだったのですが、独学でフランス刺しゅうのステッチをひとつひとつ身につけていくうちに、今の刺しゅうになったんです」
私の作品が、人の癒やしになっていく
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「自分が描いたイラストを刺しゅうで表現することはとっても楽しい作業です。いちばん大切に思っているのが色の組み合わせ。色えんぴつで絵を描いたあと、できるだけイラストに似た色の糸を選んで刺しゅうをします。ときどき近い糸色がなかった場合には、甘んじて別の糸色を使う場合もあり原画とは別の仕上がりになりますが、それはそれで意外な発見があったりしておもしろい部分です。作品は必ず面を全部刺し埋めるのもこだわりです。私のイラストは手のひらに納まる小ささですが、とても細かいので刺すにはそれなりに時間がかかります。短くても2~3時間、長いとその倍の時間がかかることもありますが、時間をかけた分だけ心は癒やされているんです。ひとつの作品が完成した時がいちばんうれしい瞬間ですね」
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SNSのアカウントフォロワー数が10万人を超えるダルヌンさん。「私なりにがんばって作り出した作品が、誰かに共感されて楽しんでいただけているというのがうれしいです。コメントを見るとうれしさと感謝の気持ちで胸がいっぱいになります。『嫌なできごとがあって気分が悪かったけど、癒やしになりました』というファンのコメントは、特に記憶に残っています。
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本気で好きな気持ちが、続けられる原動力
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好きな気持ちに素直に、毎日続けていたらいつの間にか何冊かの本を出版するに至ったそうで、プロの作家として扱われることにプレッシャーを感じることもあると言います。
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「まったく何も浮かばず大変なときもあるんですよ。そういう時ほど、刺しゅうを習い始めたときを思い出して急がずにひとつひとつの作業を『前に、前に……』と。これを続けられる原動力はこの作業が心から好きだからなんだと思います」
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今は色えんぴつのイラストの実用書を制作中だそう。「かわいくて、素朴なイラスト集です。小さなイラストをたくさん載せる予定なので、毎日忙しく描いていますが、いずれはこれを図案にして刺しゅうの本も出してみたいですね」とのこと。今後の活躍がとっても楽しみなダルヌンさんでした。
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韓国発 刺しゅう図案集
「レトロかわいい刺しゅう」
カセットテープやレコード、手編みのカーディガンなどレトロで懐かしいモチーフも、ダルヌンさんの糸色合わせの妙で、センスよくモダンな印象に。刺しゅう本としてだけでなく、眺めてみれば色彩の教科書にもなる一冊。韓国ならではのハングル文字やチョゴリなどのモチーフから、異国気分が味わえるのも醍醐味です。日本語版も発売中!
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DALNUUN(ダルヌン)さん
韓国在住の人気刺しゅう作家・イラストレーター。 刺しゅう、イラスト図案集を韓国で多数発表。2022年1月には待望の日本語翻訳本を出版。 Instagram:@dalnuun
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金 惠珍(キム へジン)
김 혜진 / KIM HYE JIN
生まれも育ちも韓国蔚山の韓国人。第2のふるさとは、通っていた大学と会社がある神戸。現在は、韓国春川でインテリア会社を運営。趣味は料理とお茶を飲むこと。
Instagram 「春川、UNO家のおうちご飯」:@uno_cook
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