カロチャ刺繍は、ハンガリーの代表的な刺繍のひとつです。
目次
カロチャ刺繍とは?
ハンガリーの刺繍には、地方によってさまざまな種類があります。その中でも、カロチャという町を中心とする地域に伝わる、色鮮やかなお花をモチーフとしたカロチャ刺繍はとても有名です。刺繍の技法としては、とてもシンプルで、茎にアウトラインステッチを使用する以外は、基本的にサテンステッチで刺し埋めていきます。
材料と道具
専用のものを使わなくても、手元にある材料と道具でカロチャ刺繍をすることができます。
・刺繍糸
カロチャ刺繍には、日本で一般的に使われている6本の細い糸がより合わさった25番刺繍糸よりも太い糸を使用します。ただ、ハンガリーの刺繍糸はあまり市販されていません。日本で入手しやすい太めの糸は、8番や5番の刺繍糸ですが、25番を6本どりで使用してもよいでしょう。
・針
ハンガリーでは、一般的に日本で言う「メリケン針7号」を使用します。これは、針の太さが糸とほぼ同じため、サテンステッチをする際、針の刺し位置の目安にもなるからです。ただし、針穴が小さいため、糸通しツールが必要です。刺繍針を使ってもかまいません。
・布、チャコペンシル、糸通し、ハサミなど
カロチャ刺繍の刺し方
あらかじめ、布に図案を写しておきます。接着芯は貼らずに刺繍します。
◇アウトラインステッチ
茎のアウトラインステッチから刺繍をします。玉結びは作らずに刺し始めます。茎の流れを意識して、一定方向に刺繍するときれいに仕上がりますよ。
隣り合っているサテンステッチの図案の中から刺し始め、茎の0.5針分(約0.2cm)手前に針を出します。
1針分(約0.4cm)先に針を入れ、茎の端から針を出します。
同様の間隔でアウトラインステッチをします。
刺し終わりは、裏側でステッチに糸を絡めてカットします。
◇サテンステッチ
ステッチが平行に並ぶように糸を渡して、面を埋めていきます。美しく仕上げるためには、糸の引き加減が重要で、引きすぎて布にしわがよったり、逆にゆるくて糸が浮いてしまわないように気をつけましょう。
図案の中に数目刺して、刺し始め位置に針を出します。
図案どおりに糸を渡し、糸の太さを考えて、次に針を出す位置を決めます。
最初のステッチに対して平行にサテンステッチをし、途中、刺し始めの余分な糸端をカットします。
刺し終わりは、裏側でステッチを数本すくい、糸をカットします。
同様に仕上げていき、完成です!
図案
素朴な彩りを楽しもう
サテンステッチは最初からきれいに刺繍するのはむずかしいかもしれませんが、もともと素朴な図案がカロチャ刺繍の魅力なので、少しくらいいびつでも、味わいになります。どんどんチャレンジしてくださいね!
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