前回は、人々の暮らしの中から生み出された美しい文化「ハンガリー刺繍」について、筒井はるみさんにお話をおうかがいしました。今回は、筒井はるみさんとのコラボで誕生した「ハンガリー刺繍の布小物の会」のデザインについて、くわしくご紹介をしていただきました。
染色技術の発達とともに、色彩豊かな刺繍に
カロチャの町に伝わる「カロチャ刺繍」。裕福な町だったこともあり、生活の中で刺繍を楽しむゆとりもありました。かつては白い糸で白い布地に刺していましたが、1930年ごろから染色技術の発達により多彩な糸が使えるように。花のほか、ぶどうの実や麦の穂、特産品のパプリカもモチーフとしてあしらわれます。
ハンガリーでも人気の高い、古いカロチャ
「ばねぐちポーチ&ティッシュケース」では、昔のカロチャ刺繍をデザインしました。草木染めで染めた時代の赤と青の2色。少ない色数ながら、モチーフの形を工夫して華やかさを表現しています。こうした「古いカロチャ」のデザインは、彩色豊かなモダンなカロチャと並び、今も好んで刺されています。
愛らしい花モチーフのカロチャとマチョー
ハンガリー刺繍の中で、もっともよく知られているのが「カロチャ刺繍」と「マチョー刺繍」。写真のミニバッグは、セントイシュトヴァン地方のデザインでよく使われるモチーフを配置しました。四角いドイリーは、セントイシュトヴァンの代表的な花の中に小花をあしらっています。
「哀しみのカロチャ」は大人の女性に似合う配色
こちらは「哀しみのカロチャ」と呼ばれる配色で、結婚して子どもを持った女性が身につける定番となっています。青と紫を主調とした落ち着いた配色で、黒地に合う色を選びました。いろいろな種類の中から自分の感性に合ったデザインに出会えるのも、ハンガリー刺繍の魅力。バリエーションを楽しみながら、好みの刺繍を見つけてください。
心を込めて作り、暮らしの中で使う楽しさを
ハンガリー刺繍は、家庭のなかで伝えられてきました。洗練された職人仕事というよりは、農作業でごつごつした手で作られる手仕事のイメージ。ハンガリーの人たちは心を込めて作ったものに愛着を感じ、室内装飾や着るもの、時には晴れ着として楽しみます。生活に息づく伝統の美しさと素朴な味わいを、ぜひ日々の暮らしのなかで感じてくださいね。
ハンガリー刺繍の奥深さが体験できる、筒井はるみさんとコラボしたハンガリー刺繍キット、ぜひお試しください。
「素朴でどこか懐かしい ハンガリー刺繍の布小物の会」
ほかにも、クチュリエでは各国の伝統刺繍やさまざまな技法の刺繍キットをそろえています。チェックしてみてくださいね。
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