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アンニョンハセヨ! ヘジンオンニです。今回は、バク・ジヘさんの「バルグン工房」のお話をお届けします。ソウル郊外の江原道(カンウォンド)のきれいで豊かな自然から得られる材料で、とても素敵な生活用品を作っている工房です。
江原道の自然から生まれる生活芸術
葦ほうきとみつろうキャンドル
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「自然から生まれる生活芸術」をテーマにしている「バルグン工房」。ここで作られる生活道具はプラスティックなどの人工的な材料はいっさい使わずに、江原道で生まれる自然の素材を使っています。例えば、ほうきのハンドルは、 江陵(カンルン)で生産される竹や麟蹄(インジェ)で有名な白樺です。江原道の人にとっては白樺はなじみのある木ですが、韓国の南の方に住んでいる人にはこの材料がとても珍しく、特に人気があるとのこと。
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また、みつろうキャンドルは、洪川(ホンチョン)の養蜂農家で生産されるみつろうを原料としています。 洪川は清らかな自然が広がる地域なのでとてもよい材料が得られるとのこと。このろうを精製して作られるキャンドルの形は、松の木、トウモロコシ、リンゴなど、すべて洪川でとれる有名な農産物です。特にトウモロコシの形のキャンドルは、トウモロコシが蜜ろうの色ととても合っていて一番人気だとか。
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このように「バルグン工房」では、江原道ならではの地域の魅力を生かし、素材を大切にしたアイテムを作っているため、最近葦ほうきとみつろうキャンドルは、江原道の観光記念品としての可能性を認められて、地域からの支援も受けることになったとのことです。
伝統に答えがある。
自然とともに、続ける。守る。
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この「バルグン工房」主宰のバク・ジヘさんは、もともと洪川の中学で生活芸術というテーマの授業をするために、ソウルから毎週通っていたそうですが、 その豊かな自然に魅了され、2018年に移住を決心。
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「川沿いにある葦や農業で得られる稲わらなどを有効に活用し生活用品を作るためには、伝統的な技法に答えがあると思い、洪川に移住してからは、全国あちこちで先生を探しました。しかし、残念ながら高齢で教えるのがむずかしい方々がほとんどでした。幸い、先人の知恵が詰まった韓国稲わら工芸博物館でさまざまな技法を学ぶことができました。その中でいちばん洪川にある自然の材料と相性がよいと思ったほうきを研究開発し、今の形になったのです。
自然から得られるものはとても豊かです。美しい材料となるものがとてもたくさんあります。このような材料で作った生活用品で生活をすると、より楽しい日常になると思います。そのような工芸品が今後も受け継がれるために、作り伝えていきたいと思います。そして、どんどん失われつつある町の手づくりほうき屋さんのような存在や、伝統を守って行くような役割も果たして行きたいと思っています」
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バク・ジへさんのお話からは自然と伝統を守る取り組みに情熱を感じます。こういった工房があるおかげで、洪川に行けば伝統的なほうき屋さんがあり、ほうきづくりに参加してみようという気持ちになって、文化を受け継ぐことに関わることができるのですね。
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今回の訪問で、失われつつある文化に気づかされるよいきっかけになりました。
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バルグン工房 [밝은 공방]
Instagram:@bargn_
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金 惠珍(キム へジン)
김 혜진 / KIM HYE JIN
生まれも育ちも韓国蔚山(ウルサン)の韓国人。第2のふるさとは、通っていた大学と会社がある神戸。現在は、韓国春川(チュンチョン)でインテリア会社を運営。趣味は料理とお茶を飲むこと。
Instagram 「春川、UNO家のおうちご飯」:@uno_cook
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