アンニョンハセヨ!ヘジンオンニです。 今年の冬、あの有名なソウル大学で開催された陶磁器の作品販売会を訪れましたので、そのレポートをお届けしますね。
ソウル大学で毎年開催されている「ソウル大学美術大学陶芸専攻販売展」。ソウル大の在学生や卒業生などが、自身の作品を一般向けに販売するこのイベントは、2008年から開催されており、今年で16回目を迎えました。年に1回、12月の初旬に3日間開催され、ソウル大学内外の多くの人がここを訪れ、大人気の販売会となっているんです。オープン前の行列からもその盛況ぶりがうかがえます。
訪れてまずいちばんはじめに目に入ったのが、大きなダルハンアリ(上の写真中央)。大きくてつるんと丸く、満月を連想させることから、ダル(月)ハンアリ(壺)と名づけられ、白磁が一般的です。古くから、韓国でダルハンアリは福を呼ぶ縁起物として人気なんです。
見渡してみると、シンプルな物が多く、一見どこにでも見かけるような作品なのですが、その肌さわり、色がどれも違うので、ひとつひとつていねいに手に取って近くで見たほうがより一層作品の魅力が感じられるはずです。
韓国の陶磁器を代表するのは、深みのある翡翠色や白の作品が多く、高級感と素朴さが絶妙。ここにある作品の作家さんが将来有名になって、ここで購入したものが初期作としてとっても価値があがるなんてこともあります。ですから、私もついつい慎重に品定めをしてしまいました。
ひとつ、私が気になった作品があり、その作家さんにお話を聞いてみました。
今回で2度目の参加だというソウル大学4年生のチェさん。今回のこの販売会に出品した作品を窯で焼いていたとき、窯が開くひとつひとつの瞬間がすべて記憶に残っていると言います。
「手で成形して、大きな窯で焼く、その作業の結果のすべてが窯を開けたときに決まるんです。開けた瞬間にうれしかったり挫折したりを何度も繰り返しました」 長い時間をかけて作品と向き合っていると、心もからだも大変でやめたい時も多かったそうです。しかし、自分の感性に共感してくれる誰かがいると実感できた時、それが創作の原動力になるそう。この販売会はそれを強く感じられる場だそうです。
「すべての作品はそれぞれ個性が異なります。 工芸品はただの物ではなく、作家の考え方と感性が込もっています。私の陶磁器を買った人は、私とある程度感性が合うということだと思います。この販売会でそのような人たちと直に話して、私自身も彼らの感性に興味を持ち共有をしていける作家になりたいんです」とチェさんは話してくれました。
※ 毎年の販売員の開催情報や参加作家、作品に関する情報はこちらでチェック!→ Instagram:ソウル大学陶芸専攻販売展公式アカウント@snuceramic
金 惠珍(キム へジン)
김 혜진 / KIM HYE JIN
生まれも育ちも韓国蔚山の韓国人。第2のふるさとは、通っていた大学と会社がある神戸。現在は、韓国春川でインテリア会社を運営。趣味は料理とお茶を飲むこと。
Instagram 「春川、UNO家のおうちご飯」:@uno_cook
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