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手づくりの温度
2年前に子どもを出産し、いろんな方からお祝いをいただく機会に恵まれた。その中にいくつか手づくりのものがあった。
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ひとつめは絵本。親友に「出産祝いに絵本を作ってほしい!」とあつかましくもお願いして作ってもらった、世界にひとつだけの絵本。『絵と音ノォト』というタイトルのそれは、ストーリーはなくコラージュと擬音で成り立っていて、0歳のときから今でも繰り返し読んでいる。自由さがある内容ゆえに読む者が試される感があり、歌うように読んでみたり、淡々と読んでみたり……。最近はコラージュのモチーフを「これは何?」というふうに指さしてくるようになったので、会話? もはずんでいる。
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ふたつめは手編みのベスト。くださった方の親戚のおばあちゃん(御歳94歳!)が編み物上手で、たくさん編んでいるうちのひとつだそう。胸に某アンパンのキャラクターが編み込まれていて、子どもも喜ぶしさっと着せられるので重宝していた。ある日、何気なく脱がせて裏返しになったベストを見ると……「う、裏もかわいい!」。編み込みの裏側のいろいろな色の毛糸が出ているのが、モンスターのようでかわいかったのだ。それ以来気分に合わせて両面着せている。
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あとひとつは、ペンギンの姿をしたペットボトルケース。少し間の抜けた表情が我が子と似ており「ペン太郎」という愛称を付けた。出かける際ミニカーを入れるのに活躍していて、最近は「ペン太郎連れてこう」と誘うと自ら愛車を厳選して入れるようになった。
子どもとの生活はめまぐるしいけれど、たくさんの「いとしい」にあふれている。そこに手づくりのものが存在するとさらに温度が上がる気がする。子どもに対してだけでなく、そのものがある風景がまるごと「いとしく」なるからかもしれない。いただいたものをきっかけに、手づくりのものが持つパワーを改めて感じている。
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よしこ
主婦 出産・子育てを経てゆるゆる社会復帰中。最近の楽しみは水餃子を作ることと、夕方の散歩。
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