丹波篠山で和綿文化の再生に携わる川浪典子さんから、衣服の素材となる「布のお話」をお聞きしました。
日本育ちの綿
私たちの衣服が食べ物と同じように畑からはじまっている……そんなふうに改めて思ったのは、丹波篠山で日本の在来種「和綿」を無農薬で育て、商品化するプロジェクト「mani e cotone」にかかわるようになってからのこと。昔の日本ではそれぞれの地域で綿を育て、家族の衣服や布団を仕立てて暮らしていたそうですが、機械化が進むにつれ、海外の洋綿が主流になり日本の綿の自給率はほぼ0%になりました。「mani e cotone」ではそのように衰退した和綿文化の再生をめざして活動をしています。
和綿の畑では、前の年に採取した種を5月ごろにまくと、夏にはオクラの花に似た薄黄色の花をつけ、秋には実がポンポンと弾けて、白くてかわいいコットンが顔を出します。洋綿は上向きに実をつけますが、和綿は雨や湿度の高い日本の気候に合わせて下向きに実をつけるという話を聞いた時、日本で育つ綿がとてもいとおしく感じました。そして弾けた綿をひとつひとつ手で摘んでいく作業はふわふわしてとても気持ちがいい、さらに綿は油を多く含んでいるので指先がツルツルになるというしあわせなおまけ付き!
ひとつひとつ大切に収穫された綿が糸に紡がれ、布に織られて私たちを包んでくれる……畑の景色とつながる布の物語が日本中に広がっていくことを夢見ながら、 私はますます和綿に魅了されていっています。
食のお店「MONTO TABLE」店主。
衣のブランド「tsukitotane」主宰。衣・食・暮らしをテーマに商品の企画やイベント、畑などさまざまに活動中。参加するプロジェクト「mani e cotone」では、第一弾のプロダクトとして、無農薬和綿の布団を販売中。
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