手工芸作家 堀川 波さん / 暮らしになじむ手づくりLife
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年齢にあったおしゃれや日々の暮らしの工夫をつづったイラストやエッセイが多くの共感を呼んでいる、イラストレーターの堀川 波さん。近年は手工芸作家としても注目を集める堀川さんに、四季折々の暮らしになじむ手づくりの楽しさについてお話を伺いました。
作る喜び、使う喜び
年齢を重ねるごとに少しずつ変化していく、暮らしのスタイルや日々のおしゃれの悩みごと。自身の体験から得たさまざまな気づきを素直につづった堀川さんのイラストエッセイには、毎回「まるで自分のことが書かれているよう!」という共感の声が集まります。
フェリシモの自宅に届く習い事『ミニツク』で堀川さんが監修を務める「大人のおしゃれの見つけ方 上手な色合わせレッスンプログラム」では、イラストの女性が着ているコートやスカートが欲しいとの声が数多く寄せられ、実際に商品化されるというできごともありました。
近年は、背守り刺しゅうやつるし飾りなどの本も出版し、手工芸作家としても注目を集める堀川さん。小学生のころから手づくりがいつも身近にあったこと、50歳を目前にして子育てがひと段落し、再び手づくりに没頭できる時間が増えたことなどが作家としての肩書を持つきっかけだといいます。
「中でも籐編みには本気でハマってしまい、朝から晩までひたすら編みまくる日々(笑)。それを見た編集者が声をかけてくださり、本を出すことになりました。仕事が広がったことも収穫でしたが、いくつになってもこんなに夢中になれることに出会えるんだ!と思えたことが何よりうれしかったです」
籐編みのバッグやアクセサリーなど、堀川さんのイラストから飛び出してきたようなおしゃれでナチュラルな作品は、すぐ使いたくなるものばかり。堀川さんらしいオリジナリティーが散りばめられていて、大人の日々の着こなしにもしっくりなじみます。
ファンやSNSのフォロワー数が日に日に増加中ですが、堀川さんは「プロの作家」と認識されることには少し違和感を感じているのだそう。
「籐工芸が大好きで、本も2冊出させていただいていますが、私が籐を初めてさわったのはわずか3年前。ありがたいことにお声がけをいただき、いろいろなイベントも行っていますが、まだ恐れ多くてとてもプロだとは名乗れません。背守り刺しゅうもつるし飾りも私が発明したものではなく、昔から人々の暮らしに息づいている伝統文化。それを決してベテランとは言えない私が、今の暮らしに合うようにアレンジしたり、デザインで自分らしさを加えたりして、楽しみながら発信しているだけなんです。私が紹介するのは、基本さえ覚えれば誰にでも作れるものばかり。逆にいうと、プロではない私が提案するものだからこそ、多くの方に親しみをもって受け入れていただけるのかもしれません。そんな等身大の手づくりが、伝統的な手工芸の魅力を再発見するきっかけになり、その人の暮らしを豊かに楽しくしてくれたら、こんなに素敵なことはないと思っています」
日本ならではの風習や伝統が大好きで、郷土玩具の収集家でもある堀川さん。古くから脈々と受け継がれるデザインに、人々の祈りや願いが込められているところにひかれると言います。
「刺しゅうやつるし飾り、籐工芸の飾り結びにも、魔除け、無病息災、縁結びなどさまざまな意味があります。それを知ったうえで、昔ながらの手づくりを日々の暮らしに気軽に活用すれば、使う喜びが何倍にもふくらみます」
伝統文化の奥深さに想いをはせながら、作る楽しみも使う楽しみも満喫している堀川さん。次は伝統柄をアレンジした刺しゅうの本を出版予定だそうです。お楽しみに!
手工芸作家 堀川 波
1971年大阪生まれ。イラストレーター、手工芸作家。『48歳からの毎日を楽しくするおしゃれ』(エクスナレッジ)『籐で作るかごバッグ、かご雑貨』(誠文堂新光社)など著書多数。
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