
どことなくノスタルジックでカラフルで、でもふわふわと甘くてかわいいだけじゃない。唯一無二のセーターを編むmouhenさんは、活動を開始してから約一年。これまでのこと、これからのこと、作品に込める思いなどお話をたっぷりと伺いました。

「好き」を形にする編み物
お手製のワンピースをまとって、待ち合わせの場所にふわりと現れたmouhenさん。その手から生まれるセーターは、甘くせつなくどこまでもキュートで、手にする人が胸をときめかせずにはいられない魅力をはなっています。しかしmouhenさんに編み物の素養がもともとあったのかといえば、「そんなことはありません」とおっしゃいます。

編み物がmouhenさんの生活の一部になり始めたのは10年ほど前。東京の美術大学で油絵を学び、卒業後はフリーのイラストレーターとして活動するものの、好きなことを表現して収入を得ることの、理想と現実のはざまに悩んでいた時期でもあったとか。そんな折、「母が自宅で祖父の介護をすることになり、サポートを兼ねてしばらく実家に帰ることを決意した」そうですが、イラストの仕事をこなしながら、介護のため家にこもる毎日に、いたたまれなさを感じることもあったと言います。そんなmouhenさんを救ってくれたのが編み物でした。「そのころは、手ぶくろやマフラーなど、ニット小物を編んでいました。夢中で編んでいると自然と気持ちも晴れるので、私にとっては必要な時間だったと思います。好きなものを作って使う楽しさは、今も昔も同じですね」

すべてが独学だというmouhenさんのセーター作りのきっかけは、三國 万里子さん。「本の中で目にしたセーターがどうしても欲しくて。買えないものは作るしかないという、自分の欲を満たすことがスタートでした」

セーターを編み始めたころは、ひと冬に一着のペースで、書籍などを参考にお手本どおりにセーターを編んで楽しんでいたそう。編み図なしではじめて編んだオリジナルは、ヴィンテージのチロルカーディガンをもとにした作品。「長く大切にしていきたいお気に入りの古着のカーディガンがあったのですが、年代物だけに糸がもろくなり、日常的に袖を通すことがむずかしくなってきたので、自分用にもう一枚スペアが欲しいと思ったんですよね。トリニティステッチで編めるのはわかったので、そこからパターンを割り出し、よく似た毛糸を探しました。なんとなく作ってみたら、意外とできちゃって(笑)。実際に着てみると袖が少しきつかったので、ゆとりが出るようアレンジ。結果的に別のものになったのですが、自分にとっては着やすくて、サイズ感もぴったりの一枚に仕上がりました」

そんなふうに始まっていったmouhenさんのセーター作りは、今でも「編み図は描かない」のが基本。インスピレーションにそってアドリブで編まれたmouhenさんのセーターには得も言われぬ物語性が感じられます。

「今は、好きなものを好きなように作ったものに対して、共感してくださる方々との出会いにも恵まれて、すごくしあわせです。外出の予定がない日は、朝から晩まで、ずっと編み物をして過ごしています」と言います。 そして、ニット作家ではなくあくまでも「セーター屋さん」であることが、今はいちばんしっくりくるとmouhenさんはほほえみます。
続きは後編にて。

セーター屋 mouhen
美大卒業後、将来に迷っている最中に編み物に出会う。介護をきっかけに30歳で看護師に転職。働きながら独学でセーターを編み始める。2022年よりmouhenとして活動を開始。2023年1月、東京「April Shop」にて初めての展示会『会いたいセーター』を開催。
Instagram:@mouhen_knit

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