パッチワーク 亀のコースター / ユキンコの自遊きままな 暮らしの手づくり
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龍宮城のコースター
みなさま、こんにちは。今月は岡山に住んでいる学生時代の友人、小野くんファミリーのために亀のコースターを5個作りました。「おもしろいやつがいて」と友人から紹介されたのが21歳の時。小野くんとは卒業後に何度か手紙を交換したのですが、考えていることも書く文章も独特の味わいがあり、友人が言った「おもしろいやつ」の意味が後々よくわかりました。しかし、会う機会もなく疎遠になり気がつけば20年。今年の春、ひょんなことから20年ぶりに手紙を書いたら小野くんから返事が届きました。
そうして、空白の時を埋める手紙の交換が始まりました。小野くんは地元で食品関係の会社で働きながら米づくりをしている兼業農家で、今は3人の子どもの父親。手紙には、「子どもの少年野球のお父さん審判をやらされたけど、グランドに立ってからルールを知らないことに気づいた」「何日かに一回、会社の昼礼で小話をしないといけないのだけれどネタがなく、悪夢にうなされることがある」など、劇的な話はないけれど、彼の日常には独特のおかしみがあり、昔と変わらず私はニヤリと笑わされてしまいます。
一方小野くんは私が手芸の仕事をしていることもまったく知らず、この20年に巻き起こったできごとも初めて聞く話ばかりだったので、手紙の内容にはいろいろ驚くことが多かったようです。ネット全盛時代にあえて切手を貼って人生を報告し、まさに亀のような時間の流れで語り合っている感じです。
先日、小野くんが3年前からやっていると教えてくれたユーチューブを見てみると、コースターを手づくりしましたと、ものすごいできばえのものが出てきたので、押し付けがましく手づくりのコースターを贈ることにしました。最近は手紙の返事に奥さまも必ず書き添えてくれていて、新しい今この時をともに紡いでいるようなちょっとうれしい感覚をいただいています。
ユキンコ
『クチュリエの種』創刊時から作品を担当。娘の成長とともに自分の時間も増えてきました。 最近はソーイングにどっぷりはまり中。 instagram:@yukinko_no_kurashi
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