チョコレートバイヤーみりの 世界の果てまでチョコレート! レアもの探して、どこまで行く!?チョコレートバイヤーみりの 世界の果てまでチョコレート! レアもの探して、どこまで行く!?

過去の記事

search

CLOSE

幸福のチョコレートブログ >  アジアのチョコレート > 代替カカオの“キャロブ”チョコ〈ラダスキャロブ〉

アジアのチョコレート

2024.08.28

代替カカオの“キャロブ”チョコ〈ラダスキャロブ〉

チョコレートバイヤーみりです。
カカオショックでカカオの価格が高騰している中、「カカオを使わずにチョコができないか」と、にわかに代替カカオを探し出した人も当然います。
今のところ一番近いのはキャロブ(=イナゴマメ)と言われていて、キャロブは以前からカカオやカフェインアレルギーの方のためのチョコとして使われていました。キャロブは豆を使用するのではなく、さやの部分を使うそうで、はじめてやってみようと思った人がすごいです。一部の健康食品店にずっとあった感じです。急に脚光を浴びて、キャロブさんもびっくりされたことでしょう。

そんなの荷が重いです。ぼくには。

そうです。カカオさんほどド派手な嗜好品感がないのがキャロブさんです。

だいたい収穫量もカカオほど多くはないはず。ちょっと代替カカオとしての現実味はないかもしれません。

しかし、食べてはみたい。ですよね? そんなに似てるんだったら、と。
めったに流通してないので、いろいろ探してみました。そうしたらありました。


インドネシアのバリ島から、まだ日本に来てない初上陸チョコを見つけました。ラダスです。カフェインフリーをテーマに作られているので、カカオバターは入っていますが。チョコを感じるカカオマスの部分をキャロブで代用しています。カカオバターの部分は滑らかにするための油分なので、チョコの味はしないのです。

食べてみましたー。

なるほど。代用だって聞かないと分からないかも。
クセも一切ないです。なんだったら、酸味だったり、スモーキーさだったり、個性の強いカカオの方が、チョコ感ないかも。
えらいシンプルな味わいですが、そこは作り手の目的の問題で。これでボンボン作ったらチョコだと思うでしょう。

でも、今まで培ったカカオの歴史にはかなわないし、そうやすやすとは……。

しかし、時間はどんどん過ぎています。

最近海外で見たんです。ついにパッケージに“リアルカカオ使用”と書いてあったんです。
ということは、リアルじゃないカカオってあるのか? もしくは疑ってる人がいるのか?

カカオ不足で困るのは低価格のおやつチョコです。
ボンボンチョコとかは普通にカカオが使えると思いますが、おやつで買える範囲のチョコが大変です。

今、可能性として一番先にやってくる流れは、できるだけ全体に占めるチョコの使用量を少なくすることでしょう。チョコ掛けとか、ナッツ入りとか、多くなると思います。

あと、日本人が器用な得意分野があります。

香料です。

うんと安くするには、食感をチョコの素材と色に。香料をつけて、チョコもどき。うまいことできてるものもそのうち出てくるかも。そうなったら、パッケージに“リアルカカオ使用”って日本でも書き出すかも知れません。さみしいけど、可能性あるだろうな。

キャロブのチョコはアレルギーの人も食べられるという点ではユニバーサルな面もあるし、いろいろ多様化してる社会ですので、全部含めてみんなでチョコを楽しみたいですね。

これもおチョコさまの未来と進化の一部かも。
宇宙でも人類は絶対チョコを食べてますよ。

フェリシモ「幸福のチョコレート」での〈ラダスキャロブ〉の発売開始は、2024年11月初めを予定しています。
お楽しみに!

SHARE:

アジアのチョコレートの他の記事

サイト内検索

アーカイブ

2014年以前の記事はこちら

plofile

チョコレートバイヤーみり

フェリシモでのチョコレートバイヤー歴28年。「チョコで世界中を笑顔にしたい」と世界各国のショコラティエをめぐり、数々のレアチョコを発掘。これまでに訪ね歩いたショコラティエは34カ国約400件。約590ブランド・約2,900種類のチョコレートを輸入販売した実績を持ち、その中でも日本に初上陸させたチョコレートは329ブランド。チョコのストーリーを語らせたら止まりません! まだ知られていない素敵なチョコを紹介するため、今日も世界の果てまでチョコ探し!

これまでの主な紹介メディア