チョコ旅は34ヵ国、ブルガリアへ
私のここ数年の一番のいい決断。それはチョコ旅にブルガリアを選んだことです。
やった。
ブルガリア。
チョコ旅34ヵ国目の国はブルガリアです。
東欧であることはご存じかも知れません。私たちのよく知ってるヨーロッパは、フランス、ドイツ、イタリアなどだいぶ西です。東側にはまだまだ国がいっぱいありまして。ブルガリアはルーマニアの隣に位置しています。
なんと、通貨がレフ。ユーロではないのです。ユーロを導入するには経済的にも信用がないとできなくって、ブルガリアやルーマニアはEU加盟国ではあるものの、ユーロ圏には入れてないのです。
数年前ちょうど私がクロアチアに行ってるあたりで、クロアチアがユーロ圏に入れたと。そういう話を聞きました。クロアチアも10年かかったと聞きました。
ヨーロッパでも日本になじみが薄い地域かも知れません。
ブルガリアに行こうと思ったのは、ある意味、勘しかなかったのですが。求めているものがそこにはありました。
まず、みなさま、まったくこの地に用事はないでしょう。
ヨーグルトメーカーさんの出張くらいしか行くことがないかも。
それこそ、『幸福のチョコレート』のお仕事でございます。チョコからその国を知ってもらう。その国を近くに感じてもらえたら本望です。過去にも、ほぼ観光で行かない未知の国こそご紹介すべき、手に入らない独自の進化を遂げてるチョコの宝庫でございました。
ブルガリアは特に東欧と言われる1990年代初めに国がごろっと変わった地域です。
ハンガリー、チェコ、スロベニア、クロアチア、ルーマニア、そしてブルガリア。
私が行った東欧の国々です。
明らかにちゃうんです。そのほかの国と。
同じく旧東ドイツにも行っているのですが、ドイツにはもう空気は残っていません。
全部上書されています。もちろん、ヨーロッパ諸国にも古いものは残っているのですが、そのままではない。もう現代の空気になっています。ちゃんと狙って残してる。
しかし、東欧の国々はそこまでリッチな国々ばかりでないので、時々そのまま現役で残っているのです。
まだ時代が変わってることに気が付いてないかのように、あの時代の色がそのまま、現代の社会に、私の前に出てきます。
しかも、それは突然やってきますので、あっけにとられます。2度見をしてるうちに現代に紛れてしまう。
そうです。私たちの見てきた色とは明らかに、グループが違う。
急に幽霊見える人になったみたいな。
え?あの子見えた?的な。
ボロボロの車だったり。地下鉄の車両とか。これ乗ったらタイムスリップしてまうかも。
普通の住宅の建築とか。ドアとか。
旅に出て感じたいのは、異国の空気。ここは地理的な文化の発見旅だけでなく、歴史が作り出す時間の旅も出来てしまう。
ブルガリアはまさにそういう東欧の国でした。
首都ソフィアは、こじんまりした街です。コンパクトに歩いてまわれます。
東西の文化が入り混じった歴史を、ひとつひとつ大きな建築が物語っています。東欧あるあるで人口のわりに建物がやたらとでかい。イスラムモスク、いろんな宗派のキリスト教の教会、東欧独特の巨大市場の建物。
ずっといろいろなものをこの町は受け入れてきたんでしょう。
そして、特筆したいことが。この街のビルのウォールアートが素晴らしい。
単なる文字の落書きではなく、ちゃんと小さなものでも美意識を感じます。
あと私は花が好きなんですが、ブーケめっちゃ上手いっ。
すみません、はっきり言ってヨーロッパの田舎という位置付けなのに。レベル高っ。
だからこそ、どんなチョコがあるか。
わくわくが止まらず、興味深々です。
今行かないと見れなかったチョコにもギリギリ出会いました。
数年前だったら、ギリシャと同じくヨーロッパの工場として個性を殺してものづくりをしてたかも知れません。しかし、ビバ、ブルガリア!のお店もちらほら出てきてました。
そうです。『幸福のチョコレート』が探してるのはローカルチョコです。その地の今を探しに来ました。
どうぞ、そのままで。誰かのまねはしなくていいです。
今回、みなさまのチョコレート史の中にブルガリアチョコをぜひ刻んでいただきたいと思います。
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チョコレートバイヤーみり
フェリシモでのチョコレートバイヤー歴28年。「チョコで世界中を笑顔にしたい」と世界各国のショコラティエをめぐり、数々のレアチョコを発掘。これまでに訪ね歩いたショコラティエは34カ国約400件。約590ブランド・約2,900種類のチョコレートを輸入販売した実績を持ち、その中でも日本に初上陸させたチョコレートは329ブランド。チョコのストーリーを語らせたら止まりません! まだ知られていない素敵なチョコを紹介するため、今日も世界の果てまでチョコ探し!
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