チョコ旅はギリシャへ
私のチョコ業界でのギリシャのイメージは、「ヨーロッパの工場」でした。世界のスーパーマーケット向けのチョコを大量生産で作って、リーズナブルなチョコを支えてきたのが、ギリシャや東欧の国々でした。
大きな展示会で常連さんとして会う感じ。「年間で何トン購入できますか?」って聞かれて、エビのようにあとずさりしたことが多々あります。
ですので、まず個人店が見つからず。訪問までずいぶん長い時間がかかりました。
でも、ここ近年のローカルチョコ界(勝手に分野を作っています)の成長は目覚ましい。
必ず、待てば必ず、ショコラティエは現れるっ。
その時を待つっ。
けど、なかなか出てこない……
しかし、今年ついにそのときが来ました。
世界的なショコラティエブームはギリシャにも来ていて、待つと決めてから数年が経ち、輸出もできそうなお店が出てきました。何年か越しの実現です。
しかし、私たちのお仕事は見つけて紹介ではなく、ゴールはお客さまにチョコをお届けすることです。流通が個人レベルでしっかりしてない国では、お店が良くても無理なんです。ですので、出会ったショコラテイエがすべて日本に紹介できるかというとそうではないのです。
ギリシャと言えば今、国は破綻しています。借金が返せなくなったと。でも、国の借金の問題ですので、日常生活は普通です。セレブもいる。
ただアテネの落書きの多さが凄まじい。今、世界的に落書きって減っていて、ニューヨークとかでももうないです。昔の名残りとして、観光写真用に一部置いてるくらいです。
もう、いわゆる文字の落書きは消されています。
しかしアテネは手が届くところにすべて落書きがあります。よくここまで町中書きましたね。お見事です。
そして、アテネと言えば、パルテノン神殿や古代の遺跡がたくさん街の中にありますが、ここまで凄まじい落書きの中、決してこういう施設には落書きらしきものはありません。
ヤンキーにモラルがあるっ。
あ、言っちゃった。
ヤンキーはいないですよ。
でも、なんか、そんなやんちゃさをギリシャに感じるのです。
落書きしたり、夜中にバイクで走るちょっと懐かしい景色を見てその言葉が出てきました。
なんか、この国は元気。気にしない。
ヨーロッパの端にいるからこそ、西から東からいろいろな文化を受け入れ、流動し続ける感じ。想像をはるかに越える異文化の通過場所。
こんなユニークな国のチョコがおもろないわけないっ。
私の期待通り、イタリアの50年前みたいなショコラティエ。アメリカ西海岸の住宅地みたいなショコラティエ。フランス?ここどこ?どこの国か何時代かわからなくなる個性の幅が広いギリシャのチョコ。ほんといろいろなショコラティエに会いました。
乞うご期待です!
でも、問題はやっぱり、ほんまに日本に来るかなあ。もう会えないかもなぁと思いながらお目にかかってたショコラティエも多数。笑
不安しかない国だけど、それも含めてリアル・ギリシャのローカルで愛されるチョコが日本にやってきます!
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チョコレートバイヤーみり
フェリシモでのチョコレートバイヤー歴28年。「チョコで世界中を笑顔にしたい」と世界各国のショコラティエをめぐり、数々のレアチョコを発掘。これまでに訪ね歩いたショコラティエは34カ国約400件。約590ブランド・約2,900種類のチョコレートを輸入販売した実績を持ち、その中でも日本に初上陸させたチョコレートは329ブランド。チョコのストーリーを語らせたら止まりません! まだ知られていない素敵なチョコを紹介するため、今日も世界の果てまでチョコ探し!
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