ガーナスタディツアー~欧州企業のサステイナブルカカオ畑はちゃんとしてる、けど。
ガーナの日の丸弁当を食べたら、歩いて畑に行きました。
暑いーーー。
まじ暑い、いや熱い。
徒歩10分くらいのところに畑はあるので、ちょっと山道歩きますと。帽子はマストです。
私が見た今までのカカオの畑よりも明らかに規模が違います。これが本気のガーナのカカオ農家じゃーというくらい、延々とカカオの林が続きます。
そう、カカオの畑は林みたいなのです。そこまでうっそうとしていなくって、木もそこまで大きくない。畑なので、ちゃんと管理されてるから高さも揃っています。
私は自宅の室内でカカオの小さな苗を育ててますが、もう同じ種類とは思えない。葉っぱがでかい。あたり前ですが、落ち葉もすべてカカオの葉です。カカオの葉は薄いのですが、トレーシングペーパーのようなハリがあるのです。落ち葉もしっかりしてるので、踏むとものすごく大きな音がします。
歩いててだんだん気が付いてきました。
もーーー10分超えてるー。
さすがガーナです。
時間の感覚がおかしい。
そして、どうしてこんなに人が多いのかというくらい、日本人のカカオ見学にたくさんの村人が付いて来るのです。口々になんかしゃべってます。
20分くらい灼熱の畑を歩くと、畑の真ん中あたりが目的地のようです。ここまで来るまでいろいろな農家さんの管理してる畑を通ってきたようですが、やっぱり木の管理者によっても手入れが違うように思えました。
カカオの収穫のデモンストレーションが始まります。
まずは、カカオの実を採ります。
高枝切ばさみを使っています。それでがしっとカットします。
カカオの実を割って中身を見せてくれて、産地でしか食べられないカカオの実、カカオパルプを食べました。チョコはカカオの種からできていますが、もちろん果肉もあるのです。それがこの白い部分です。地元の人は食べないのですが、これかさわやかな酸味のあるフルーツなんです。
おいしいのですよ。
村人が持ってるナタのような大きな刃物があります。
見慣れて来たので私はなんとも思いませんが、かなりでかい。そして、それを振り回しながら歩いてました。私はその後ろを歩きながら、この人が手を滑らせたら、私のおでこに垂直に刺さるなーと思ってここまで来ました。
畑の中で説明は続きます。
「実がなったら最低限の消毒をします」「日が当たるように要らない枝は取ります」
もちろん植物の多様性のためにも、カカオだけでなくほかの植物も植えています。
農業指導がしっかりされてるのがわかります。
気が付いたことがあって、みんな長靴を履いています。ガーナで長靴というイメージがないので、なんでだろう?と思ってたんですが、これも刃物が危険なので、畑に行くときは長靴を履くことになっていると。
先ほどの銀行に続き、農業指導や労働環境の整備も、やっぱりどこをとってもちゃんとしています。
村の人が作業を見せてくれました。
数個のカカオを割って、種をバナナの葉っぱの上に出して、発酵。その後、村に持って帰って乾燥。その後、カカオの苗のナーサリー(苗床)にも行きました。
もともとこの時期は大量にはカカオがないですが、それ以上にカカオの不作が深刻だということは、もうこの時点ではみんなが知ってることでした。雨が変な時期に降って、カカオができなかったと。でも、それに加えて貧困によるカカオ農家離れも、カカオの木の老朽化も。問題は1つではないということも分かってきました。
今日ガーナのショコラティエから連絡があって、ガーナのカカオの原料の値段が60%上がると。産地で60%だったら、そこからヨーロッパに行って日本に来る。何倍に上がるのかな。カカオのトップランナー、ヨーロッパのカカオ企業はこの先どうして行くのでしょうか。カカオがないとこのシステムも必要なくなってしまいます。
やっぱりみんな困る。
そう、ここにいる人みんな困るのです。
思いはひとつ。
未来にも私たちはチョコを食べたーい!
つづく
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チョコレートバイヤーみり
フェリシモでのチョコレートバイヤー歴28年。「チョコで世界中を笑顔にしたい」と世界各国のショコラティエをめぐり、数々のレアチョコを発掘。これまでに訪ね歩いたショコラティエは34カ国約400件。約590ブランド・約2,900種類のチョコレートを輸入販売した実績を持ち、その中でも日本に初上陸させたチョコレートは329ブランド。チョコのストーリーを語らせたら止まりません! まだ知られていない素敵なチョコを紹介するため、今日も世界の果てまでチョコ探し!
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