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オーストラリアのチョコレート

2023.10.10

もはや神々しいタスマニアのチョコレートのお話

タスマニアの〈コールリバーファーム〉さんのショコラティエがディミトリさんからデヴィッドさんに替わり、初めは“あんなに素晴らしいディミトリのチョコはほかの人には作れないに違いない”。そう新生コールリバーファームのことを心配してたんです。

大変失礼しました。このデヴィッドさんも天才!

なんでタスマニアにはこんなとんでもない人が移り住むのか? そしてまた、こういう人を呼び寄せるコールリバーファームのオーナーもすごい。

実は今回私がショコラティエにお願いしたのは、「チョコレートビスケットを作ってほしい」と言ったのです。

デヴィッドさんからだーいぶ遅れて送られてきたのがこちら。

ビスケットちゃいますやん。板チョコですやん。
自由演技やわあ。しゃあないなあ。
特集にしたかったのになあ、もうしゃあないなあ。

…と、それほど期待してなかったのです。

情報も「はちみつとビスケットが入ったタブレット」的なあっさりしたもので、見た目も地味だし。どうかなあ、と。

と。

と。

とととととととーーーーーーー!!!!!!

食べて、2,3歩あとずさりしました。

どえらいことです。

この味はそんな単純な味じゃない。

ただごとでない味がしたのです。

深い味? いや複雑な味? 違う……ただごとじゃない味です。

明らかに通常と違う衝撃の味なのです。

えらいもん来た……!!

慌てて、「この味はただごとではありません。絶対何かとんでもない技法か素材か、どえらいものが感じられます。すぐに説明してください。どうやって作った? いえ、このチョコは何者か教えてくださいっ」と聞きました。


やってきた答えは、

『タブレットには自家製のオーストラリア産マカダミアナッツプラリネがたっぷり入っています 』

ほらね! ただごとじゃないチョコでした。


解説します。

自家製プラリネ─ここポイントです。普通プラリネは出来上がったものを仕入れて作るんです。でも彼らは地場産のマカダミアナッツを飴がけしてそれを砕いて自社でプラリネを作っています。もうこれだけで超高級チョコです。


さらに、
『プラリネにビスケットクラムを入れ、タスマン海塩と焦がしバターを加えて深みと風味を加えています 』

解説します。

そのプラリネにビスケットのクラム(くだいた粉)を加え、それにタスマン海はタスマニアとニュージーランドの間にある海ですが、そこで採れた塩、つまり地元産の塩をプラス。焦がしバターは、バターを加熱し、乳固形分を分離させて黄金色にする手間のかかる方法で、香りとコクが出ます。手間かかってます。


さらにさらに、
『プラリネとタブレットのビスケットには地元のレザーウッドハニーを使っています』

解説します。

レザーウッドの木はタスマニアの西海岸の世界遺産に登録されている森林に生育しています。地球上で最もきれいな空気の一部であることが測定されている場所です。
しかもレザーウッドの木は100年経たないと花をつけないのです。
ですからこのはちみつはもう希少すぎます!!!!


どうですか!
こんなチョコ見たことがない。
このチョコを紹介出来るなんて最高にハッピーです。

タスマニアの奇跡のチョコです!

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チョコレートバイヤーみり

フェリシモでのチョコレートバイヤー歴28年。「チョコで世界中を笑顔にしたい」と世界各国のショコラティエをめぐり、数々のレアチョコを発掘。これまでに訪ね歩いたショコラティエは34カ国約400件。約590ブランド・約2,900種類のチョコレートを輸入販売した実績を持ち、その中でも日本に初上陸させたチョコレートは329ブランド。チョコのストーリーを語らせたら止まりません! まだ知られていない素敵なチョコを紹介するため、今日も世界の果てまでチョコ探し!

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