カカオの故郷で作られるほっこり激うまビスケット!〈オスクロプーロ〉
ついに!ついに!この人の話をする日がやってきました。みなさまにはぜひ聞いていただきたいチョコのお話。お忙しいところ恐縮ですが、ぜひここは素通りしないでいただきたい。
ものすごく「幸福のチョコレート」らしいチョコなのです。
メキシコシティーの「オスクロプーロ」さん。
スペイン語で“ピュアダーク”という意味だそうです。
とても好きなお店の話のはじまりはじまりです。
犬だらけの公園がありまして。(別のところでお話します)そこを越えたら、ちょっとこじゃれたお店があるエリアで街路樹がうっそうとして居心地のいいエリアだなと。しかし。
アポの時間を間違えて、閉まってる。。。
時間がもったいないので、2番目のお店に先に行くんですが。それも結構遠い。なんじゃかんじゃで、いったん引き上げる感じになりました。
私こういうのダメなんです。なんか、幸先が悪いのは好きじゃない。
きっと商談は上手くかないかも…というまったく根拠のないジンクス的な思い込みで戻ってまいりました。
戻って来たらとっても明るく迎えてくれたのはパトリシアさん。
女性ショコラティエです。グラフィックデザイナーからの転職です。
メキシコ産のカカオのみでチョコレートを作っていて、小さなお店はひっきりなしにおしゃれなセレブメキシカンが自分が食べたい分だけ買って帰るようなお店。
カウンターではカカオのセミナーとかもやってるそうです。
さっそく、チョコレートドリンクをいれてくれました。
ちょっとスパイスが効いてて、うまーーー。
アチョーテというスパイスだそうです。もーすでにメキシコらしい。
ぐるっとお店を見回すと。カカオ豆がまるでチョコのようにそのまま売ってるのです。
あ?ディスプレイ?
そこに子ども連れの地元マダムが現れました。「このカカオ200gください。」
まるでコーヒー豆を買うように、クリオロ種のカカオ豆を普通に買っていくのです。これにはびっくり。さすが!カカオの国はちょっとほかの国とは違いますよ。あれは何に使うのかと聞いたら、つぶしてドリンクにしたり、ソースにして料理に使ったり。それがなにか?という感じ。
ほんとにそんな感じなんだ。
ご主人はバルセロナのベーカリーにいたことがあるそうで。
私が気になったのはチョコを使ったビスケットやアレンジ系。ギフトとかではない地元のショコラティエはこういうのおいしいんです。
でかいビスケットとかもうたまらんうまさ。ほら、ほらね。もー食べる前からおいしいねんもん。
ピーナツバターやヴィーガンのチョコなど、ちょっとアメリカ西海岸な感じ。
聞いたら、この地域はアメリカを始め、各国の外国人が多いらしい。
どれも手づくり感がすごくて、ここでしか食べられないものばかり。これは流行りますよー。
私、ここ近所やったら毎日来るもん。
パトリシアはめちゃ一生懸命お話してくれるんですが、英語が苦手と。でもそんな複雑な話もしないので、私にはゆっくりだからちょうどいいんですが。
というか、メキシコ人は隣がアメリカなのに、まったく英語を話さない。なぞ~。なんと空港でも。ホテル以外、レストランもまったく話さないんです。若い人も。いさぎ良いわー。こびないわーー。
ですので、スマホでスペイン語から英語に翻訳してのコミュニケーション。
どうせ、スマホ翻訳だったら日本語がありがたいんですが。一生懸命なので言えず。直訳の英語はさらに??だったけど。それよりもパトリシアとのそのコミュニケーションがなによりも楽しい。
例えばこんな話してたんです。
外にね、わんさか「リス」がいるんです。
街路樹と電線を狂気のように叫びながら走り回り。かわいいという気になれない余裕のなさ。受け止めきれない……。ちょっと落ち着け!って心の中で思ってました。
でもリスはかわいいと思わなければ、人として誤解されるに違いない。
「リス多いね」と言うと、「初めはかわいかったから、みんなエサをあげたらどんどん図々しくなってきて、キッチンにまで入るようになって。今ではネズミにしか見えん」
私、今日来たけどネズミにしか見えんかった。共感~~~。
こういう何気ない地元の話が面白い。
実は夜中に飛行機で日本に帰る日、パトリシアから「どうしてもホテルに届けたい物がある」と。何だろう? もうホテルに帰るのもなぁと思って、またお店に行くことにしました。
パトリシアの用事はこうでした。
「今から15時間も飛行機に乗るんでしょう? おやつのチョコを渡したくて」
なんと優しい……。
「予定変更させてしまってごめんなさいね」って。
ありがとう……。
やっぱりチョコは人が作るもんです。
この人が作るチョコだから余計おいしい。
ぜひメキシコシティーに行ってこの店に行ってほしい。(リスは多いけど。)
温かなメキシコのチョコレートドリンクを飲んだらどんだけ癒されるか。
あとやっぱり、このビスケットは絶対食べて欲しい。
日本向けに小さくしてくれるって言ってました。
また食べられるの楽しみー。
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チョコレートバイヤーみり
フェリシモでのチョコレートバイヤー歴28年。「チョコで世界中を笑顔にしたい」と世界各国のショコラティエをめぐり、数々のレアチョコを発掘。これまでに訪ね歩いたショコラティエは34カ国約400件。約590ブランド・約2,900種類のチョコレートを輸入販売した実績を持ち、その中でも日本に初上陸させたチョコレートは329ブランド。チョコのストーリーを語らせたら止まりません! まだ知られていない素敵なチョコを紹介するため、今日も世界の果てまでチョコ探し!
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