イギリスのミント屋さんが作るミントチョコ〈サマーダウン〉
〈サマーダウン〉のデビッドさんとお話をしました。
「こんにちは」
「こんにちは」
おや?
映画の吹き替えかと思うくらい、青い目のビジュアルと日本語の発音が合わない。
「私の奥さんは日本人なんです。娘は日本に住んでます」
なるほど~。日本語がうますぎと思ったら、そういうことだったのですね。
デビッドさんとのミーティングは終始楽しい、リラックスした感じでした。
まず、サマーダウンとはイギリスの地名だそうです。
サマーダウンはチョコレート屋さんではなくミント屋さんです。ミントの専門家なのです。
ここ数年日本では若者を中心に空前のミントチョコブームです。“チョコミン党”とも言われています。ミントチョコと言えばイギリスの十八番(おはこ)なので、ミントチョコ好きたちに本家ホンモノのイギリスのミントチョコを紹介したく、選ばれしミントチョコがこの〈サマーダウン〉さんのチョコなのです。
100年ほど前イギリス原産で絶滅した幻のミント、“ブラックミッチャムミント”というミントを創業者が探し求め、残っていたインドやアメリカ・ワシントンから取り寄せて農場を作り、復活させたのがこのサマーダウンです。その頃イギリスでは栽培しやすいペパーミントが中心品種になっていたそうです。
ペパーミントは刺激が強すぎるため、優しいさわやかさのブラックミッチャムミントを、現在94歳のマイケルさんが1990年代にアメリカから持ち帰り、復活させるべく努力して、テニスコートの大きさから始めて、なんと1000エーカーの広大な畑にしたそうです。普通のミントは緑なのですが、ブラックミッチャムは紫がかっているそうです。
そこから、蒸留し、オイルやハーブティーや、いろいろな製品に変えていきました。
なんと世界25ヵ国にここのミントは輸出されているそうです。
まさにミントの専門家集団です。
こだわっているのは、シングルオリジンであること。ほかのミントと混ぜない。そして、フレッシュさにこだわり、1年の賞味期限を設けているそうです。
そんなミント集団が作るミントチョコですよ。
おいしいに決まってますでしょ。
イギリスではミシュランのような有名な食の賞があるのですが、グレート・テイスト・アワードと言います。黒いシールが商品に付いているのですが、なんと彼らはミントで初めて受賞しています。
すでに味にもお墨付き。
特に私のテンションが上がったのは、ディスクと言われる円い形です。実はこの形。イギリスでしか見ないのです。しかも、イギリスの選ばれし由緒あるブランドでしか使ってない形なんです。
王室御用達ブランドか、チャールズ国王の食品ブランド、“ダッチーオリジナル”くらい。独特の形です。
やったー。
しかも、まぼろしだった最高のミント。
これ以上の特別なミントチョコはないと私は思っています。
味はビターで大人味です。ミントチョコを苦手な方はよく「歯磨き粉みたい」とおっしゃいます。そのイメージを払拭するのがこのサマーダウンです。
デビッドさんに聞きました。
今後の夢は?
巨大な企業になって名を馳せたいわけじゃなく、ミントのクオリティーで世界一と言われるようになりたいと。
「幸福のチョコレート」には今年、世界35ヵ国の国と地域のチョコレートが集まっていますが、サマーダウンのチョコはその中でも本当に誰とも被らない、スペシャルなチョコだと思います。
ミント専門家が作ったチョコ。
ご紹介できてしあわせです!
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チョコレートバイヤーみり
フェリシモでのチョコレートバイヤー歴25年以上、「チョコで世界中を笑顔にしたい」と世界各国のショコラティエをめぐり、数々のレアチョコを発掘。これまでに約500ブランド・約2,500種類のチョコレートを輸入販売した実績を持ち、その中でも日本に初上陸させたチョコレートは約250ブランド。チョコのストーリーを語らせたら止まりません! まだ知られていない素敵なチョコを紹介するため、今日も世界の果てまでチョコ探し!
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